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help リーダーに追加 RSS ドゥブルベボレロ『ミロワール ショコラ』『エルブランコ』『オペラ』『アイアシェッケ』『マカロン』など

<<   作成日時 : 2008/08/17 23:33   >>

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西宮在住としては、滋賀県というと、地理的にも遠く縁遠いところと決めていました。それでも、ずっと気になってたお店が何軒かあり、ついに“青春18きっぷ”を利用して行ってきました。“な〜んだ、案外近いんじゃない!”というのが、出不精・デブ症の今さらながらの感想。
気になるお店が、お気に入りのお店に、なんとも楽しい近江路の小旅行。豊作の収穫披露とまいりましょう。ハハハ、なんだか嬉しくて笑いが止まりません、あはははっ〜。
ショーケースを一目見て、心奪われてしまい、いろいろと食べてしまいましたので少し長くなります。よろしくおつきあいのほどを…。


●『ミロワール ショコラ』(写真右) 径5.7cm 高さ4cmほど。
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一番底にチョコスポンジ、ビターチョコのムースが載り、そのなかにフランボワーズのジャムが少し、そしてミルクチョコのムース、その上に薄いチョコスポンジが射込んであります。
全体をツヤツヤのグラッサージュ。
このツヤツヤ加減、惚れ惚れします。フォークをいれるのがもったいないほど、しばし見蕩れてしまいました。

いざ、フォークを入れてみても、ねっとりとまとわりつく感じがなんとも言えません。
そしてムースの軽やかなこと。よくこれだけ柔らかいものが、シャープなエッジを見せて、すっくと立っていられるものだと感心してしまいます。
軽すぎると味が弱いのではないかと、ちょっと心配になりますが、ビターもミルクもしっかり強い味わいを伝えてきます。フランボワーズのジャムも少量ですが、きゅんといいアクセント。

濃厚な味わいで十分に甘いのですが、そのわりにもたれる感じがまったくありません。ムースが軽いだけでなく、砂糖をかなり控えたのではないでしょうか。濃厚系なのに、もう1個食べたくなるような軽さです。



●『エルブランコ』(写真左) 径6.8cm 高さ3cmほど。
“エルブランコ”とは白い巨人、サッカーのリーガ・エスパニョルのレアルマドリッドの選手たちの愛称。
ロナウド時代にはあまり聞きませんでしたが、ヨハン・クライフが監督していた頃に聞いたような記憶がちょっと蘇ってきました。たしかユニフォームが白ですよね。
白く気品があり、洗練された高尚なものでありたいとの気持ちからのネーミングだとか。

底から、コーティングのチョコレート、チョコスポンジ、ホワイトチョコのババロア。
中に射込まれているのはミルクチョコのクリームかと思ったら、じつはビターチョコのクレームブリュレ。
中心にはフランボワーズと苺のジャムが入っています。HPでは苺ではなくイチジクで酸味を落とし、と書かれています。夏用バージョンで酸味を高めたのでしょうか。

そういえば、アニス風味ともショーカードには書かれていました。この香りは清涼感があるところまでは使われていなくて、甘い香り止りなので、バニラかなにか、お菓子にあって当然の香りと思って気が付かずに終ります。ただ、ほんわかと甘い香りがしていたのは間違いありません。

ホワイトチョコの味わいがメインで、ジャムの酸味、ブリュレの甘さ、卵の風味、チョコレートの風味の豊かさが、交互に顔を出して退屈させない仕上がり。
ちなみにブリュレのビターチョコはプラリュ社のジャバ72%だそうです(繊細で酸味のあるタイプ、らしい)。





●『オペラ ディ エスプレッソ』 2.3×10.5cm 高さ2.5cmほど。
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トップの金箔の飾りが、1片ではなく、チラチラと。グラッサージュもつやつやと美しく、まるで夜空に散りばめられて星屑のよう。

ビスキュイジョコンドにコーヒー(エスプレッソ)をたっぷり染み込ませ、モカのバタークリームと、ガナッシュをサンドする点では、ある意味、定石通りの作り方。
ただ、エスプレッソだけでなくブランデーも使われているそうです。

本家本元のダロワイヨでは高さを2cmに抑えて、エレガントに食べられるようにしているとか。こちらのものもそれに近い2.5cm、幅も2.3cmと細みです。気取って食べられる大きさですが、そのあまりの美味しさについエレガントな振る舞いを忘れてしまいそうです。
だって、コーヒーにエスプレッソを使うだけで、一般のオペラとは一線を画す味わいにランクアップしているのですから。

小さな一口が大きく強い味わい。強い苦味と力強い香り、強さを秘めた味わいと馥郁たる香り。ピシッとしたシャープな線も決まっています。見事の一言です。
ただ、ナイフがなかったのでフォークでカットしたせいか、ぺらんと一部剥がれたのが、かえすがえすも残念ではありますが、まっ気にならないといえば気にならない些細なことですけれど。

なお、この日はエスプレッソの出来映えにかならずしも満足していない、とスタッフが教えてくれました。ならば、満点の日の出来上がりを口にしてみたくなりますね。

……しかも、できれは夜に。照明を落としたやや暗めの部屋で。プッチーニの“星は光りぬ”でも聴きながら〜♪





●『クレーム ド モロ』 2.7×9.8cm 高さ3.5cmほど。
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モロとは“層になった”というラテン語なのだとか。
バウムクーヘン風の生地に、白ワイン(タイム入り)と大人しいレモンシロップをたっぷり染み込ませ、チーズ風味のカスタードをサンド。生地が5層。

言ってみればババ、サバラン、ティラミスのような、生地にたっぷりシロップとお酒を染ませた、喉ごしのいいケーキのお仲間です。
違うのは生地のテクスチャーと、お酒がスピリットやリキュールではなく、ワインを使っていて印象がずいぶん静か、ということでしょう。
それと、じつはタイムと特定できなかったのですが、なにか野性的な香りが遠くの方で漂っている、という独特の風味を口に入れると感じました。
生地はベチャベチャというより、モロモロと食感を感じさせながら抵抗なく崩れて行きます。同時に白ワインのコクとレモンの軽い爽やかさ、チーズの風味とカスタードの包み込むような甘さ。
淡いボカシのかかった世界で、それぞれが微妙なグラデーションで協調しあっています。

この一見地味なお菓子をお店のスペシャリテにしているところに、お店の姿勢がはっきり出ています。
何か一つを突出させてこれでもかと主張するのではなく、たくさんの要素がお互いを引き立てあって、きれいなまとまりを作り出しています。一つひとつの素材については何がどのような機能を果たしているのか、素人にはとても判断のつきかねる世界。注意深く食べる人に分かってもらえばいいと覚悟を決めているのではないでしょうか。もちろん、全体としてのブレのない見事な美味しさがありますから、慌てて食べても特別に美味しいという印象は残るでしょう。
でも、声高に主張しない一つひとつの素材の存在に気付く度に美味しさが倍増して行く、そんな知的でエレガントなケーキです。しかも喉ごしのいいもの、それでいて生地の存在感を失わないもの。それが「W.ボレロ」印なんでしょうね。

スペシャリテなのに、これが行き止まりの結論ではなく、まだまだ変身をつづけるようです。白ワインに入れるタイムは、最近になって、ハーブガーデンのものをほんの少し入れるようになったとのこと。入っていなかったら、夢見心地で終わりそうですが、夏向きに少し覚醒の方向へシフトしている気がしたのですが、どうでしょう。

はてさて、この先どこへ行きつくのでしょう。気になるお店は気になることをしてくれるものです。





●『アイアシェッケ』 2.4×9.5cm 高さ4cmほど。
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渡辺雄二シェフの修業先「レ・ザンジュ」のレシピを再現したものだそうです。ほかにも『オランジュ』や、香り付けの洋酒使いの技など、三輪壽人男氏の影響があるようです。

クッキー生地の上にクリームチーズの層(レーズン入り)、その上にバターとカスタードクリームの層、一番上はそぼろ生地。4層仕立てのじっくり焼いたベイクドチーズケーキの一種。

焼き上がりのまだら模様からアイア(Eier卵)シェッケ(scheckeまだら)名付けられたケーキです。元々ドレスデンが発祥の地のようで、ドイツ菓子のお店でよく見かけますね。

この地味なケーキが一番人気になっているというのも、ちょっと不思議。テレビの力ってやはりすごいですね。私も以前、流行りもの好きの方がお取り寄せしていて、ちょうど居合わせたのでご相伴にあずかったことがあります。

そぼろのザク、モロッとした食感と中間2層のネットリとした食感の一体感がなんとも言えずいいですね。じわじわと迫ってくる卵の風味の強さ、そしておっとりとやってくるチーズの香り。クッキー生地のサクサク感も切れがいい。地味だけど芸が細かい。う〜ん、いいですね。
焼き込んだことによる風味の力強さ、食感の粘り強さ、その個性が本当にうまく活かされています。
大したものです。名物にうまいものあり。





●『マカロン(5種)』(2008年3月から発売) 径5.5cm 厚み2.6cmほど。

●キャラメルサレ・エ・カフェ(ブルターニュ産の塩を利かせたキャラメルとコーヒー風味のダークガナッシュ)
●オリーベ(織部:宇治抹茶のガナッシュとヘーゼルナッツ風味のミルクチョコペースト)
●マール(カシスジャムとマール酒を利かせたホワイトチョコガナッシュ)
●ノッチョラート(ヘーゼルナッツとサクサクのフレークがアクセント。ミルクチョコのガナッシュ)
●ショコラ・アメール(カカオ分の高いダークガナッシュ)
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マカロンはあちこち郷土菓子にもあって、ゴツゴツと武骨なものが本来のもの。
いま流行りのものはパリで開発されたマカロン・リスと呼ばれるもの。リス(艶々)の仕上げが人気の元でしょうか。そのためにはアーモンドプードルを細かく挽いたり、メレンゲの立てかたに工夫が必要なようです。

こちらのマカロンはご覧のように周囲のバリもそのままだし、表面も少しザラッとしています。
それは渡辺シェフがアーモンドの香り、味わいにこだわったから(最高品種とされるスペイン産マルコナ種を粗挽きしているそうです)。わざと少しだけ先祖帰りさせた、と言えるでしょう。
洗練は行き過ぎると素材の力強さを失いがち。その意味で素材の力を蘇らせる試みは大歓迎。おかげで力強い味わい、馥郁とした香り。マカロン生地の魅力が際立っています。

さらに素晴らしいのは、間に挟むクリーム。ほとんどのものが2種のクリームの合わせ技になっているのです。
なんと表現意欲が強いのでしょう。それも一般のバタークリームではなく、ガナッシュとコンフィチュールが主体。ガナッシュもフルーツ系については牛乳や生クリームを使わず、ホワイトチョコにピューレを合わせているとか。鮮烈な味わいは、素材の持ち味の追求の上に成り立っているもののようです。

画像どれもこれも十人十色というか、個性的。魅惑の味わいです。しかも、この大きさ。もう、完全にノックアウトです。
これほどのお菓子が180円とは…。思わず、お値段を確認せずにはいられません。
これまで、マカロンってわりと好きな方ではあったのですが、コレッ、というものがじつはなかったのです。やっと、お気に入りのマカロンに出会えました。

もうこれはプチフールの世界を軽くひょいと飛び出して、完全にプチガトー! 





●『イヴォワール』 径3.3cm 厚み0.4cm 95g(40個)ほど。
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美しい白、こころ和むやさしい色合いです。
期待した通りの淡い甘み、夢見るバニラの香り、サクホロと崩れる軽快な食感。

だけど、嬉しい裏切りは強烈なほどの、ラム酒の香り。
クッキーでラム酒の香りは不思議なことにあまり出会っていません。ラム酒とバニラの相性は定番ですが、それだけを抽出したようなこのシンプルさ。小さな身体で精一杯の強い主張。

けっこうクセになって次から次にポポイポイッと摘んでしまいます。だんだんスピードもあがって、気が付くと10個20個はあっという間。
どおりでたっぷり40個入っているはずです。





●『ガレットブルトン(エピス)』 径5cm 厚み1.2cmほど。
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まず、ザクッとよく焼けたガレット。もうそれだけで、ニマッ! 
バターの風味とアーモンドの香りが豊かです。粉の香りも十分に立っています。
おやっ、食べ進んでいると、時間差攻撃の如く、どこかヒリリと辛味が。そして独得のスパイスの香りも。

そうです、このエピスとことわられているガレットには胡椒・シナモン・クローヴ・ナツメグが入っているのです。
パンデピスの香りに近いですが、ガレットブルトンの本来の味わいを消さないように淡い使い方。そこへ胡椒が加わったことで、存在を知らせるシグナルが鳴る感じです。

本来のスタイルで十分に美味しいお菓子ですが、ちょっとしたアクセントでずいぶん新鮮に感じるものですね。アレンジ物もたまにはいいですね。




う〜ん、大満足。見蕩れてしまうほどの魅惑的な姿、端正でスーッと鮮やかな切れ味の線、素材の味と香りの芳醇さ、テクスチャーの豊かさ、食感・口溶けの妙……繊細な技を尽くした、洗練されたお菓子。逸品揃いです。食べてもたれないところも素晴らしい。
気持ちよく買い物が出来たのも何割か印象をよくしているでしょう。販売担当の山下さんはじめ、スタッフの皆さんありがとう。

ケーキ屋さんには即物的に味を買いに行っているわけではありません。小さな幸せを求めているような気がします。こちらのスタッフの皆さんはその贅沢な望みを叶えてくれるために、本当に親身になってくれる人たちです。それも過渡の緊張がなくリラックスしていて、しかも言葉遣いを含めて、礼儀正しさも特筆もの。
味については書き尽くせないほどのところを、なんとか、言葉を重ねて書きましたが、スタッフの皆さんの素晴らしさも書かずにはおれません。いいお店は、言いたいことが多くて筆力のなさを嘆かざるをえませんね、は〜っ。



●『ミロワール ショコラ』462円  『エルブランコ』420円  『オペラ ディ エスプレッソ』399円  『クレーム ド モロ』378円  『アイアシェッケ』320円  『マカロン』@180円  『イヴォアール』400円(40個入り)  『ガレットブルトン』140円
 『アールグレイ(ポットサービス)』525円  『ハーブティー“ヴェルベイヌ”(ポットサービス)』525円

●「W.Bolero(ドゥブルベ・ボレロ)」
 滋賀県守山市播磨田町48-4   TEL077-581-3966  定休日/月曜(祝日の場合は火曜)

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