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カンパーニュ桜井『カンパーニュ』『パンド桜井』『全粒粉のチーズ』『ナッツとレーズンのパン』『食パン』
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作成日時 : 2009/01/07 20:36
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箕面市、阪急電鉄箕面線桜井駅を降りて少し周り込んで、進行方向側の踏み切りを渡り、スーパーを越えた次の細道を左に折れると、すぐに“公認阪急桜井市場”があり、その中に「カンパーニュ桜井」がある。
この公認阪急桜井市場、一見廃れた雰囲気が漂っているが、中に入ってみると、一軒一軒個性的な、というか、じつに人間力にあふれた店が連なっていて見ていて飽きない。人と人のつながりを生み出す市場のようだ。
ここは土日だけ営業のパン屋。
というのも主人の中塚タカハルさんは、サラリーマンのかたわらパン作りにのめり込み、パンを焼ける場所としてこのマーケットに目を付けた。ただ、賃貸契約の条件として、営業することが規定されていたために、やむなく営業!?
ここは中塚さんの修業の場? と、ちょっと疑問符の付くような営業スタイル。
パン屋に勤めたり、師についたりしたことのない、本を片手の独学。店の普請から、屋外に設置したセメントブロックの窯にいたるまで、まったくの素人の手作り。
つまりは、究極の手作りの味わいがここにある。
●『カンパーニュ』
リスドォルにライ麦30%。天然酵母、低温醗酵で本格的なカンパーニュを目指している。
酵母はビール、この時はフランスのFischerというレーベル。子供が樽に跨がってジョッキでグビグビやっている絵のシールと瓶のレリーフ。この絵が可愛いから、とのこと。
これから先は、寅さんという人と知り合いになったとかで、タイのビール、Tigerに変わる予定とか。求道者のように真剣だけど、ゆるい部分はかなりゆるい。
土曜の販売に向けて、水曜に元種の仕込み。木曜に本次込み、二日かけてじっくり醗酵させて焼きにかかる。
手作りの窯は分厚いコンクリート作り。火力はガス。屋外なので天候、気温に影響されやすい。火の回りもコントロールできない。蒸気を出すのも手前の覗き穴から大きな霧吹きで吹き込むスタイル。デジタルの目盛りの付いたコンヴェクションオーブンとは条件がまるっきり違う。
焼き上がりは神のみぞ知る、といいたくなるところを、よく育つように 一生懸命になっている。
その気持ちが端的に表れるのが“この子”という言葉。捏ねたパンがどのように健全に育つか、親ごころ。その慈しみようが分かろうというもの。
さて、そろそろ味の話。
気泡は比較的均一、十分な醗酵までにはあと一歩なのかもしれない。気温に左右されるだろうし、営業という条件からは開店の11時に間に合わせなければならない。ここはその出来上がりのムラも含めて手作りの味の内。
しっとりと十分な水分を保ったモチモチのクラム。クラストは食感としては、もう少しバリッと焼けてもいいかもしれない。でも、香りは十分に引き出されている。
トーストすると、さらにモチモチしてはずむような弾力。噛み締めていると次第に粉の旨味がじわじわと出てくる。
リスドォルは灰分も蛋白質も製パン用の粉ではとくに多くはない。大人しめの粉。やはり、これは低温醗酵による旨味の強化が働いているに違いない。
ここの天然酵母のパンは焼き上がった後も熟成をつづけるとか。
お勧めにしたがって、日にちを置いてみた。常温に放置して3日後。むしろ、初日より美味しくなっているのに驚いた。
少し水分は飛んでいるのだけど、元々水分多めなので、まだしっとりとした食感が味わえる。この熟成は水分が飛んだ分だけ味が濃縮されているのかもしれない。
ともかく、イーストのパンと違って日にちを置いてもカチカチにはならない、というのはよく分かった。
●『パンド桜井』
ここからは少し手短に。
リスドォルとオーション(2等粉)30%。2等粉は灰分が多いのでじんわりと奥深い味わいが出る、という配慮。
断面の気泡部分の薄く張った膜が鏡のように輝く美しさ。ゴムのような強い弾力。淡い酸味を感じる。
トーストすると弾力がまろやかなものに変化する。バターと好相性。
これも3日後、まだまだもっちりと美味しかった。
●『全粒粉のチーズ』
リスドォルと粗挽き全粒粉30%。
ゴーダチーズを巻き込んで焼いてある。
脂の出る素材は難しい。どうしても脂を吸った生地が膨らみにくくなる。
これもその轍を踏んでチーズの回りが、残念ながら生焼けになってしまっていた。
でも生地とチーズの相性の良さは確認できる範囲に収まっていた。
●『ナッツとレーズンのパン』
リスドォルとライ麦50%。
カシューナッツとレーズンが入っている。カシューはクルミのこともある。
レーズンが甘いだけでなく、酸味を出しているところに好感が持てる。
安定した味わい。
●『いちじくのパン』
これもリスドォルとライ麦50%。
イチジクはトルコ産の白いちじく。今後、イラン産に変わるかもしれない。イラン産を試食させてくれたけれど、少し甘みが弱いかもしれない。
現状はしっかりした甘みで、おやつとして食べてもいいし、チーズと合わせる定番の食べ方にも適している。
●『食パン』
これだけはイーストのパン。
ご近所の常連さんたちの要望ではじめた。素直に美味しい。
トーストしたときのサックリ感が気持ちいい。
中塚さん、まったくの素人とはいっても、かつて和食の職人だった経験もあり、味や技の勘所の飲み込みは速いのだろう。それと、どこまでのめり込まないとプロの域に到達しないかということもよく分かっているだろう。だからこその真剣さ。
以前にプロとしてドイツパンを焼いていた知人が、“中塚さんほど真剣にパンに立ち向かっていたやろか”と忸怩たる念を語っていたほど。
店を手伝えないといっていたはずの奥さん、カモンミキヨさんも、その熱心さにほだされたのか、販売を手伝っている。そのおっとりした雰囲気もいい味を出していて、こちらの魅力の大きな部分を占めるかもしれない。
とはいえ、やはり主役は焼き上がったパン。どっしりとして媚びを売らない風情が、プロにはない魅力。素朴な味わいとほんわかと優しい香りと味わいの奥行きを与えてくれる酵母の味わいが、たっぷり楽しめる。
●『カンパーニュ』22.5円/10g 『パンド桜井』22.5円/10g 『全粒粉のチーズ』22.5円/10g 『ナッツとレーズンのパン』20円/10g 『いちじくのパン』27.5円 『食パン』230円/1斤
●「カンパーニュ桜井」
大阪府箕面市桜井2丁目「公認阪急桜井市場」内 TEL090-1148-1926 営業日/土曜・日曜(第1週はのぞく)
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