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zoom RSS パティシエール ウタコ(5)『いちじくのショートケーキ』『カルディナール』『クグロフマロン』…

<<   作成日時 : 2013/09/12 21:23   >>

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大阪府高槻市、JR京都線・摂津富田駅から西へ5分ほどのところにある「パティシエール ウタコ  UTAKO 」さん。
フランス菓子が、日常的な親しさのあるお菓子であることを納得させてくれる希少なお店。安心感があるという意味で日常的だけど、美味しさの点ではプレミアム。ありがたいお店です。


●『いちじくのショートケーキ』 辺9cm 高さ7.5cmほど。
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西洋無花果を使ったショートケーキ。
ジェノワーズとシャンティに、イチジクスライスというオーソドックスな作り。

ジェノワーズ(キルシュアンビベ)のはかないほどのわふわふ感、ほろほろとした口当たりの良さ。
夏バージョンというシャンティ(通年35%と48%の混合だけど、夏は35%寄り)のすっきりとした軽やかさ。口の中で、サラリと溶けてくれます。

それらが、イチジクの繊細な個性を活かすことにもつながって、香りも味も“あっ、イチジク”と歓喜を伴って広がってきます。バランスがすこぶるいいですね。

フレッシュのイチジクはケーキにするには味が繊細で、セミドライでないと使いづらいと思っていたし、今までに食べてきたものは、期待を裏切るものが多かったのです。

だけど、なのですねぇ。
イチジクになにか仕事をするのでもなく、期待を上回る美味しさ。
なめらかで淡い魅力は、そのまま。損なわれることなく生きているのもいいですね。
生クリームのちょっとした扱いの差で、トーンを調整し、達成しているのですから、いやはや大したものです。

このショートケーキは、苺→オレンジ→桃→無花果→フルーツミックス(季節柄、旬の梨などもチラッと入っているそう)→苺という、ローテーション商品。
春夏秋冬、いずれの季節も、生地もクリームも果実も、お互いがお互いをふわっと引き立てあい、なかよく手をそっと取り合って微笑んでいる景色が浮かびます。
きっと、ほっと和めるやさしさが、心を潤してくれるでしょう。




●『カルディナールショコラ』 幅9cm 高さ5cm 奥行き3.5cmほど。
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おや、なぜウィーン菓子が? と疑問を呈したら、
“辻調の入学パンフに載っていて、そのときから気になっていたんです。授業で教えてもらう日には、ついに来た! とワクワク。
さらに、2種類の生地のタネをストライプに絞って焼くという手法に目を開かれた”
という体験から、忘れられないお菓子だという。

わりと多く出会うのは、卵黄が多めのジェノワーズ風生地(黄色)とメレンゲ生地(白色)が均等の厚みで焼かれるもの。
こちらのものは、メレンゲ生地が薄く、通常よりサクッとした食感が強く、2種類を合わせている意味が強調されていて面白い。

シャンティ・ショコラは甘みをかなり抑え、カラクの風味の良さを活かしたもの。甘みを感じさせないクリームが、すっきりとした印象を演出し、大人の味わいに仕立てていますね。

なお、お店では“夏ショコラケーキ”と謳っていました。
なるほど、重量感が恋しい秋冬とは異なる、軽やかなチョコレートケーキですね。




●『フロランタン』 3×7.5cm 厚み0.8〜1.2cmほど。
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お店で、奇麗に成形するために切り落とした、焼き立ての、いわゆる“耳”の部分を試食しました。

その美味しいこと、といったら! 福耳だぁ。

カッリカリと心地よく砕けて、アーモンドの香りが弾けて。
どこかキレがいいような、コクを感じるような甘みは、砂糖のほかに、フランス産ラベンダーの蜂蜜を使っているからだそうです。
蜂蜜の中でも特に好きなもので、ウタコさん曰く“少し加えるだけで余韻が変わるじゃないですか”。

翌日食べると、しっかり密封されているにもかかわらず、焼き立ての一瞬にだけ許された特別の華々しさはさすがに望めませんが、それでも、アーモンドの香ばしさ、カリカリとしたカラメルの美味しさが印象に残ります。
ラベンダー蜂蜜のコクも含めて、フロランタン好きにはたまらない味わいです。




●『クグロフマロン』(中) 底径10cm 穴底径3cm 高さ3.8cmほど。
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ウタコさんが辻調のフランス校で学んでいたとき、憧れの横山牧子教授に頼み込んで、教えてもらったルセット。
当時先生は研究職で、授業の予定は一切なかったのに、一人で最後まで粘って粘って交渉して、勝ち得た公開授業。

普段、デザートで食べた残りは冷蔵庫で保存し、生徒は自由に食べていいことになっているそうです。
あまりの美味しさに、ウタコさんがけっきょく全部、ペロッと平らげてしまい、先生の作品とあって、職員たちも狙っていたのに食べられず終い。

そこで名付けられたのが“クグロフ生野(しょうの:旧姓)”というあだ名。
卒業文集には、研修先のお店のケーキを食べてしまうなよ、とまで書かれたそうです。

きゃははっ〜、食いしん坊のウタコさんらしい痛快エピソードです。
ということで、彼女にとっては、格別の想いが詰まったお菓子。

クグロフは醗酵生地が本来ですが、ケーキ生地もちょくちょくありますね。
こちらの『クグロフマロン』は、フランス産マロンペーストをたっぷり練り込んだ生地に、イタリア産のマロングラッセをまぜて焼き、焼き上がりの熱々のところに、マロングラッセのシロップとブランデーを同割りにしたものをアンビベ。

ふうぅぅ。ほわ〜っと栗とブランデーの芳醇な香りに包まれて、幸せ気分。
なんともふくよかで柔和なのに、力強い味わい。
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バター生地に1個の栗、というパターンもよく見かけますが、ウタコさんは“栗は1個だけ? それじゃあ寂しすぎるし、栗じゃなくてもよかったんじゃないかな”ということで、生地にもマロンペーストが入っているわけです。

その甲斐あってか、一口目から、栗。二口目も、栗。栗を満喫。

栗の風味をより以上に活かしているのが、繊細でやわらかな生地。
しっとりとなめらかな口溶けとともに、立ち上がってくる栗の風味の深さといったら。
でも、ぎりぎりのところで節度があるのですねぇ。なんて、上品なのでしょう。
秋になると、毎年、食べたくなるのでしょうね。罪作りなお菓子です。

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なお、開封して半日から丸一日くらい経った頃が、一番香りが落ち着いて、マロンの風味を隠さない(ブランデーの香りも捨てがたいけれど)ベストバランスになるようでした。
時間経過によって味わいが変化するのが、ドゥミセックの愉しみでもありますね。






お店のマークもクグロフ型だし、アルザスから手持ちで持ち帰ったクグロフ型も飾ってあるし、季節ごとのクグロフ(春/シトロンと木苺、夏/アールグレイ、秋/マロン、冬/ショコラ・ノワゼット)もあるし、あだ名もついているし、もちろんお菓子のファンも多い。
そこで「クグロフ倶楽部」を立ち上げなきゃね、と盛り上がった次第。クラブ設立の際(空想です)には真っ先に会員になりますよ。いや、会員番号1番や若い番号は常連さんたちに譲るとして、私は末席にちょこんと。
今春にいただいた『金柑ショコラモワルー』のクグロフ型、リビングのサイドボードに鎮座しておりますから、資格はあるかな。むふふ。



●『いちじくのショートケーキ』350円  『カルディナールショコラ』350円  『フロランタン』120円  『クグロフマロン(中)』600円 (※プチ200円 大1500円)

●「パティシエール ウタコ UTAKO」
 大阪府高槻市富田丘町13-18  TEL072-601-6175  定休日/火曜

※ブログ「パイ日和」では、このお店のタルトを紹介しています。


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