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zoom RSS エメラ(11) 『雅(みやび)』『マール』『マロンマンダリーヌ』

<<   作成日時 : 2016/12/03 21:13   >>

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奈良市、近鉄奈良線・富雄駅から南に2分のところにある「パティスリー ショコラトリー エメラ」さん。
扉を開けると別世界に誘われたような気分になるでしょう。彩り豊かに並べられたケーキやチョコレートの数々。どこか凛とした精神性も感じられ、しばらく見入ってしまいます。
そんな中から本日は、最新作のプチガトーをご紹介しましょう。


●『雅(みやび)』  径6cm 高さ3cmほど。
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奈良から、果敢に発信する「エメラ」さんとしては、地元奈良産の素材にこだわりたい。
ということで選んだのが“月ヶ瀬のほうじ茶”と“奈良の抹茶”。

ミルクチョコムースの中にそれぞれのムースを射込んでいます。
さらに底生地ビスキュイショコラの上に胡麻のチュイル、2種類のムースの下にフランボワーズのクレムー。

トップのもやもやは、抹茶のフィナンシエ生地のエスプーマを電子レンジにかけてスポンジ状にしたもの。
これは今夏研修で訪れたスペインのレストランで教えてもらったもの。エスプーマはスペイン発祥だからアレンジも進んでいるのですね。

ふーむ、手が込んでいます。味の組合せも複雑です。
シェフも「僕にしたら作り込み過ぎましたね」と、やや反省気分。
“十分に美味しいチョコレートムース”ではあるのですが、手を掛けたほどの成果が出ていないということなのでしょう。足し算のケーキになっているところから今後、引き算を試みるとのこと。

ということで、私たちも途中経過の報告ということになります。
ミルクチョコのムースが大変おいしく、思わずうっとり。主役の座を強く主張しています。
次に、一番目立つのはなんと、胡麻のチュイル。食感と香り、芳ばしさといったらないですねぇ。
おや、ほんの少しのフランボワーズもきゅんと利いている。
おやおや、抹茶とほうじ茶のムースはどこへ行った? 単独でちょびっと食べてみると、ふむ、美味しいっ!

一つひとつのパーツは素晴らしく美味しく、品良く仕上がっています。ということは、どうやら若干バランスが取れていないということなのでしょうか。


はてさて。藤原シェフ、どういう風にアレンジされますか?
抹茶・チョコ・フランボワーズはよくある組合せだから、それではつまんないかな。
そこで、胡麻。胡麻のチュイルは単独の焼菓子でも食べたいほど。ほうじ茶のムースが品良くエレガントにエメラ流に仕上がっているので、これをメインにミルクチョコを中に射込むという逆転もありだなぁ。いや、そうなるとちょいとズレるか。
はたまた、変化球的位置のエスプーマ生地を主役級に抜擢して抹茶のムースと合わせる抹茶シリーズも考えられる ……などと、無責任に夢想プレイする私たち。たはっ、引き算と言ってもシンプル過ぎでしたね。

ともあれ。可能性に溢れています。どういう風に再結晶させるのか、シェフの手腕がすごく楽しみ。
というのも、たしか“雅”という商品名、こちらのお店の核になる概念だったと記憶しています。相当力が入って当然のプチガトーなのです。

実際は大変だろうなぁ。だけど“大変なことこそ面白い”。
そこを逃げたら、その先の素晴らしい世界を知らないままですしね。プロフェッショナルのだけの本当の楽しみ、次回魅せてください、シェフ。




●『マール』  径7cm 本体高さ2.3cmほど。
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まっ、華やかで可憐な姿。

あまりお酒を呑まないシェフがめずらしく気に入ったお酒、ゴヤール社の“マールシャンパーニュ”のバヴァロワを味わうケーキ。

底生地はビスキュイダマンド(マールのポンシュ)、その上にバヴァロワ、さらに苺・フランボワーズ・グロゼイユのジュレ。
トップに、薔薇の香りのシャンティとエディブルフラワー、フランボワーズ。

おおっ! マール、芳醇な香り、利いていますね。強い香りだけでなくアルコール感もほんのり。
それに負けない、赤い実のジュレ。グロゼイユの時折当たるガリッ感が奔放に個性を発揮。
冷凍してジュを出したものに砂糖とペクチンを加えただけのものなので、果実感が強いし、口溶けが素早く、ダイレクトにフルーツの魅力が口の中に充満するのです。
マールと互角の勝負をしているのが、とてもしっくりと納得感の強い味わいになっています。

さらに薔薇のシャンティも優雅な香りを添えて、味わい深いし、コクも出ているし。そうそう、この薔薇、赤い実があると数段美味しく感じるのですよね。

いいなぁ、いいぞぉ、これ。
ジュレものはあまり誉めたことがないんだけど…。やりますな、お見事!

蛇足ついでに、ん? このプチガトー、背が低い。
シェフによると「アルコールがあまり強くない方にも抵抗なく食べてもらいたくて」とのこと。いつもながら、いたれりつくせり、です。




●『マロンマンダリーヌ』  径6cm 高さ3.7cmほど。
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ほぅ、マロンとマンダリンオレンジ、ちょっと見掛けない組合せ。

マロンカシスは増えたけれど、ベルギーではよくある組合せだったとか。
あっ、そうか。料理では鴨の煮込みなどに栗とオレンジを合わせたものがありましたよね。
そういう意味で、ポピュラーで理にかなった組合せと云えそうです。

ビスキュイの底生地にマンダリンのムース。
中にマロンのムースが射込まれていて、ラム酒がほんのり香り、マロングラッセを散らしています。
トップにはマンダリンのジュレ。

ひゃー、けっこう酸っぱい! 
マンダリンの香気・味わい、清新で素晴らしい。これほど凝縮した味わいで感じられるとは、うんうんいいねぇ。

おや、マロンは脇役に回ってマンダリンの鋭さを優しくなだめているような。珍しい使い方かな。
マロンカシスなどは酸味が点描であって、あくまでマロンが主役。この配役の入れ替えは面白い。

シェフの狙いは、“オレンジのムースの軽さ vs マロンのほっこり感の食感の対比”(わぉ繊細)というけれど、マロン、とくにグラッセの甘さでホッとする甘酸っぱさ、というのが気に入りました。
いやあ、じつにお見事です。



奈良から世界へ飛び立つのも夢ではない、という逸材が藤原尚樹シェフ。
スペインの出版社が発行する「so good…」という全世界向けのパティスリー紹介の製菓専門誌(2016年7月号/季刊)に、ジャン=ポール・エヴァンなど名だたる巨匠たちと肩を並べて紹介されています。ちなみに、その号では他に日本人では「ジャック」の大塚シェフだけという快挙。
ご本人は“こいつ誰やねん、という感じですけどね”といたって謙虚ですが、昇竜の勢いに乗っていることは間違いないでしょう。
なお、もっと詳しく知りたい方は、お店のレジ前に置いてありますから、まずは行ってみてください。実際、とても美しく衝撃的な写真の数々が並んでいて、ワクワクすることこの上なし。
そんな充実したシェフの最新作、うるさがたの食べ手もきっと満足させられてしまうでしょう。

他にも、クリスマスシーズンらしく、シュトーレンはもちろん、サンニコラのスペキュロスや型取りチョコ(ビッグサイズ)など、部屋に飾りたくなるお菓子も。ほぇ〜どれもこれも欲しくなるっ!



●『雅(みやび)』520円  『マール』480円  『マロンマンダリーヌ』490円  (※外税/店頭では両方併記)

●「パティスリー ショコラトリー エメラ」
  奈良市富雄元町2-6-40  TEL0742-44-6006  定休日/水曜  営業時間/11:00〜20:00(平日) 〜19:00(日祝)

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