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zoom RSS エーグルドゥース(2)『トルシュ オ マロン』『シャンティフレーズ』『フォレノワール ピスターシュ』

<<   作成日時 : 2017/01/11 21:22   >>

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日本を代表するパティスリーといっても過言ではないでしょう。「パティスリー エーグルドゥース」さんは意外なほど庶民的な街に瀟洒な佇まいを見せています。
山手線・目白駅から西へ10分ほど、広い道路をまっすぐ行くのですが、途中の脇道には細い石畳があったり、地道があったり、可愛い教会もありました。おばあちゃんがお店番の和菓子のお店も。
朝一に頑張って訪ねてカフェで食べるつもりだったのですが、12月は忙しくカフェを閉鎖して贈答品やX'マスケーキの準備などで荷物置き場になっていたのでした。お客さんもどんどんやってきて、店内は賑やか。販売スタッフは手際よく、すいすい購入できます。慣れているのですね、凄いな。
やむなくテイクアウトのみと相成りました。


●『トルシュ オ マロン』  径7cm 高さ6.5cmほど。
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秋冬の季節限定。

メレンゲにシャンティにマロンクリーム。とてもシンプル。
まさにムラングシャンティのマロンフレーバー版、といったところでしょうか。
注文を受けてから組立ててくれ、1時間以内に食べるようにとの逆注文が付いてきます。

以前なにかの本で読んだ記憶に寄れば、たしかマロンクリームは一から作る、自家製。マロンペーストを使わないお店は珍しいので、食べてみたかったのです。
フランスのアルデッシュ産の皮を剥いた冷凍生栗を下ゆでし、糖分控えめのシロップで煮てコンポートにしたものにバター、砂糖、だったかな。

甘さ控えめの、肌理の細かいメレンゲ(1.8cmほど)に、これまた甘さ控えめのふんわりシャンティ。
ふーむ、注文が付くのも頷けます。まったく夾雑物のない自然なフランス栗の味。
メレンゲはサラサラ、クシュクシュと消える繊細さ、そして芳ばしい。たしかに食感のアクセントではあるけれど栗以上には存在を主張しない。
バターが加わってややポソポソしたマロンクリームが口の中で、じわりとゆっくりほどけていく感触が、はーっ、じつにいいですねぇ。ほどけるほどに栗の香りが広がって行きます(パートドマロンも少し入っているのでしょうか、ヴァニラ香も感じたのですが…とはいっても栗を邪魔せず調和しています)。

独特のフランスの栗の香りを満喫! 
ふうぅぅ〜とても美味しく、どっぷりと堪能しました。シンプルの極み、お見事です。




●『シャンティ フレーズ』  2.5×10cm 高さ8cmほど。
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苺ショートをフランス風に作れば、という試み。ジェノワーズ、苺、シャンティーという組合せを変えないままのアレンジ。

まずジェノワーズは薄くし、アンビベは苺のピュレを加えた苺シロップ。
苺は半割の大きいままで。はっきり苺を主役にしています。
ケーキの横顔、といいましょうか、切り口の美しさに惚れ惚れしてしまいます。

最近はいろいろなヴァリエーションがありますが、一般に、日本の苺ショートは生地の美味しさで食べさせていて、苺の鋭い酸味(甘い苺も多々)をアクセントにするのが常道。

この『シャンティ フレーズ』は、ジェノワーズはアンビベがたっぷり(生地の一部がピンク色、というか苺色)で、生地の食感や味わい深さよりも素早い口溶けが強調されています。苺の果実感もアップしています。
シャンティはミルキーっぽさはなく軽やかでさらっとした口溶け。苺はマイルドなもので生食で美味しいものという選択でしょう。

結果、懐かしさはありませんが、“洗練という雰囲気を纏った苺ショートの世界”が現出しているのです。しかも、優しく繊細。フランスには苺ショートはないからと意地を張るのではなく、柔軟な発想でオリジナルの世界を苺ショートにもたらした手腕はさすが、お見事です。

日本風の苺ショート大好物ですが、あぁこれもまた、私の苺ショートの地図の一画に、すっと鎮座してしまったようです。



●『フォレノワール エ ピスターシュ』  2.5×11cm 本体高さ5cmほど。
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フォレノワールは好きなお菓子として上位に入るでしょう。そして人後に落ちないピスタチオ党
このケーキを選ばない手はないのです。

チョコのビスキュイとチョコとアーモンド風味のジェノワーズ(びしょびしょ)の間に、チェリーがコロコロと入ったチョコのムース、ジェノワーズの上に赤い実のジュレっぽいもの、ピスタチオのムース。
飾りは、ピスタチオのシャンティ、ミルクチョコのコポー、苺と、グロゼイユ。

このケーキで寺井シェフの指向がはっきり見えるような気がします。
というのは、フォレノワールで使われるチェリーは一般的にはキルシュ漬けのグリオットチェリー、ところがこちらはダークチェリーでポルト酒を使っているようです。味の補強で取り入れられている赤い実のジュレも赤ワイン。甘酸っぱいフルーティさを感じます。
ツンと尖った味を避けて、円やかで奥行きのある味わいを欲しているのではないでしょうか。
そう考えると、あまり強く主張しないピスタチオのムースとシャンティも普通のシャンティに奥行きを加えたものと理解できますね。

力強いフォレノワールを期待するとアレ? と思いますが、チョコと赤い実と豊かな味わいのシャンティの組合せとしては素直に美味しいケーキ。奥行き豊かなチョコに赤い実がひんやりと優しい酸味で寄り添うところなど、本当に奇麗。

そうそう、店頭で「赤ワイン使っておりますが大丈夫でしょうか云々」と聞かれたのですが、通奏低音のように、ずっとアルコール感が流れています。
それに、ピスタチオの杏仁香も強く、お酒と混じりあって“どこか懐かしい匂い”がふわーっと優しく漂って…… そういう意味では、大人のフォレノワール、とも云えますね。



日本のトップを行くシェフでオリジナリティに溢れるレパートリー、というイメージだけで、力強く先鋭な味わいだろうと決めてかかっていました。前回食べた印象がたまたま強い方向に傾いていたので、余計にその感を強めていたようです。
でも今回選んだもののように、洗練されていて優しく夢見るような味わいに本領がありそう。カフェで一度ゆっくり落ち着いて味わわなければなりませんね。



●『トルシュ オ マロン』580円  『シャンティ フレーズ』490円  『フォレノワール エ ピスターシュ』560円  (※内税)

●「パティスリーエーグルドゥース」
  東京都新宿区下落合3-22-13  TEL03-5988-0330  定休日/火曜  営業時間/10:00〜19:00

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