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zoom RSS イルプルーシュルラセーヌ(2)『焼菓子5種/塩味のクッキー、サブレ ミモレットゥ、フィナンスィエ…

<<   作成日時 : 2017/01/19 21:34   >>

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東横線・代官山駅から5分ほどのところにある「ラ・パティスリー イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」さん。いわずと知れたフランス菓子のお代官様、弓田亨シェフのお店です。
入り口に“日本一美味しいフランス菓子の店”と書かれた看板が置かれています。普通のお店だったら根拠もなく日本一と言えば誇大広告だろうと、激しくツッコムところですが、日本のフランス菓子の発展に寄与した努力の多大さと沸点に達しようかというほどの情熱の前には、認めざるを得ないですね。
今回食べた焼菓子も心底美味しいものでした。


●『塩味のクッキー』(16枚/本来は14枚入りだとか)  3.2×4.5cm 厚み0.75cmほど。
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エダムチーズ、ゲランドの塩、アーモンド、松の実の入ったクッキー。チキンブイヨンの味もしますね。
ちょっと層っぽいところがありますね。ひょっとしてブリゼ?

はあ〜っ、凄いですねぇ。一口齧ったら、もう止まりません!

適度な塩味が後を引くのです。直接刺激して来るような塩が美味しい上に、エダムの味わい深さ、アーモンドの芳ばしさ、松の実の脂っぽい香り。
サクッとした生地、コリッとナッツの弾ける快感。後口に残る、黒胡椒のホットなヒリッ感も刺激的。

なんて個性的なんでしょう。
しかし、個性的でありながら普遍的でもあるような当たり前の美味しさが中心にどっしりと存在しています。
リズミカルな食感の快感、立ち上る香りの数々、そそる度の高い旨み。いくつもの美味しさが飛び出してきますが、そのすべてが調和しているのです。
ふーむ、感服仕りました。



●『サブレ ミモレットゥ』(12枚)  4.6×4.3cm 厚み0.8cmほど。
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「イルプルー」の30周年記念のお菓子であると同時に、ドゥニ・リュッフェルさんの2015年第30回目の講習会の際の新作。

オレンジっぽい色から分かるように、ハードチーズのミモレットがたっぷり入っています。
箱を開けた瞬間から、チーズやら生地を焼き込んだ芳ばしさやら濃厚な香りがふんぷん。

わぉ、なんて濃厚な味わい! 
サクッサクッと軽やかな食感、『塩味のクッキー』よりはソフト。口に入れるとチーズがとろっと溶け出すように感じられ、円やかに解れて行きます。
これはビールではなく赤ワインが欲しくなりますね。間の手の皮付きアーモンドの芳ばしさも素晴らしい。

弓田シェフがリーフレットに書いているのを引き写してみましょう。
「とにかく旨い。旨さに少しの切れ目もない。心と身体、五感に隙間なく押しよせる、なつかしさに満ちた正に正統のフランスの味わいです」
これが少しも大袈裟でないことを保証しておきましょう。あぁ美味しすぎる、お見事です!




●『フィナンスィエ』  6.3×4.4cm 厚み2.3cmほど。
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素直に美味しく食べられるフィナンシエ。

卵白がやたらネッチリすることもなくサラリと解けてくれるし、スペイン産アーモンドもバターもよく薫っています。
生地の色からするとほんの少し焦がしたバターなのでしょうか。ブールノワゼットの香りというより、バターそのものの香りのようです。

ただ、すばらしく美味しいだけに、ちょっと残念だったのはヴァニラエッセンスを使っているところ。
ヴァニラがほかの香りに勝ってしまっています。フィナンシエにヴァニラの甘い香りは不要のように思うのですが、いかがなものでしょうか。
そうそう、もちろん“天使の輪っか”(勝手に命名)ありますよ。

なお、商品の個々に貼ってある賞味期間とは別に、リーフレットには“最高美味期間”が書いてあります。
このお菓子だと、2〜3日。“美味”の精度の高さが伝わってきますね。




●『ヴィジタンディーヌ』  8.2×4.4cm 厚み1.7cmほど。
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『フィナンスィエ』とほぼ同じ作りと:言っていいのでしょう。
ただアーモンドがヘーゼルナッツに置き換えられ、表面にクラクランを載せています。

こちらも同様にヴァニラを使っているのですが、ヘーゼルがはっきり勝っていて、甘い香りはすることはするのですが、気になりません。

ナッツが主体となることで格段の美味しさに至っています。
クラクランも効いているし、いいですねぇ。






●『ガレットゥブルトンヌ』  径6.5cm 厚み1.7cmほど。
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塗り卵が少し剥げただけで不良品扱い。
味見用といってタダでいただきました。わーい、なんてラッキーな。

表面はざっくりとした軽快な食感、中はホロホロ、どこかふっくら感すら湛えています。
ほぅ、醗酵バターとラム酒の香りが豊かです。チーズの香りもほのかに。

優しくサブラージュしてあるのか、サブレが一粒一粒ザラザラと主張するのではなく、軽やかに口に広がってくれます。底に貼り付いているグラニュー糖とともにサブレを食べているような感覚にも陥るほど。

中の生地の淡い黄色に象徴されるような優しい味わい。塩気を利かしていないところも含めて、すべてが品の良さと優しさの方向に向かっています。
なんて心安らぐガレット、お見事でございます。



人に伝えにくい味覚を、作業内容を徹底的に数値化するなどを通じて、間違いなく伝えようとする熱意の塊。一方でお菓子のイメージについては文学的といえるほどの詩的な言葉で結晶化する。
ともかく、一つひとつのお菓子に対する徹底した追究は心を撃つものがあります。今回、尊敬の念をまた新たにしたのでした。



●『塩味のクッキー(16枚)』1140円  『サブレ ミモレットゥ(12枚)』1040円  『フィナンスィエ』240円  『ヴィジタンディーヌ』240円  『ガレットゥブルトンヌ』非売品  (※外税)

●「ラ・パティスリー  イル・ブルー・シュル・ラ・セーヌ」
  東京都渋谷区猿楽町17-16代官山フォーラム2F  TEL03-3476-5211  定休日/火曜  営業時間/11:30〜19:30

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