ラヴィルリエ (1) 『ブルネット ショコラ』『ファーブルトン』

09年11月24日、大阪・梅田の阪急東通商店街を抜けた先、広い通りの向こう側にオープンしたのが「パティスリー ラヴィ ルリエ(Ravi,e relier)」。本格的なフランス菓子の品揃えを目指している。
服部シェフ本人は、“まだまだいっぱい調整しなければならないところがあって”と、自己批判を緩めないけれど、初日から好調のようだ。


●『ブルネット ショコラ』 3×8.5cm弱 高さ5cmほど。
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スポンジが2段、それぞれの上に濃度の異なるミルクチョコレートのムース。
全体をガナッシュで包んでいる。
トップの飾りは、カカオニブの飴がけ。

チョコレートはヴァローナ、エルレイ、プラリュと細かくブランドも変え、お気に入りの品種を選びとって構成しているようだ。

上の甘さのほとんど感じられないムースにはオレンジの風味付け、スポンジにもオレンジシロップが打たれている。
ブルネット(brunette)は髪の茶褐色を表す言葉。ミルクチョコの魅力を表すのに、たおやかな雰囲気があって相応しいだろう。

チョコレート、ミルク、オレンジという取り合わせは定番。
それでもしみじみ美味しいと感じさせるのは素材の良さのなせる技だろう。スキッとした軽やかさがあり、チョコレートの香りを満足しながらも疲れないケーキ。
それでいて、飾りにいたるまで手を抜かずに意味を持たせている。いいね。

“品揃えのなかに食べやすいものもあった方がいいと思って”とのことだ。




●『ファーブルトン』 径6.8cm 高さ2.5cmほど。
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ブルターニュの伝統菓子。
“ファー”という言葉は元々おかゆ状の小麦を指すらしい。
今では小麦粉、卵、牛乳、砂糖のゆるい生地を焼いた固めのプリンのようなものを指すようになっている。

材料を混ぜて、型に流して焼くだけ。
素人でも手っ取り早くできる菓子だけど、それだけに液の濃度と焼き込みの加減にプロの技を見せなければならない難物。

こちらのものは、トップにプラムを置くことと、やや固めでしっかり焼き込み、生地に風味を出している。ほのかな塩気もいいね。
平凡なお菓子の良さを守りながら、ほんの少しキラリと光る技。落ち着いて美味しく食べられる、日常のおやつ。



ちょっと気になる店名、「Ravi,e」は“大喜びの”という形容詞の、男性形と女性形を表す辞書の見出し語の書き方をそのまま用いたもの。
こちらのケーキを食べる者は、男も女も大喜び。
「relier」は“結び合わせる”という意味で、男女のその後が楽しみという粋なネーミングと推察した。
甘党の男もようやく増えてきたことだし、二人のシーンを彩るケーキという大人の店があることは喜ばしい。

いつもの書き手は、“らりるれろ”でおぼえちゃったよ~とのこと。もちろん、大喜びしながらね。



●『ブルネット ショコラ』480円  『ファーブルトン』280円

●「パティスリー  ラヴィ ルリエ(Ravi,e relier)」
 大阪市北区神山町2-6  TEL06-6313-3688  定休日/火曜