オ・ボン・ガトー・ビゴ(8)『焼菓子5種/マドレーヌ、フィナンシェ、ガレットブルトンヌ、フロオータン

ビゴさんが、昔から『カヌレドボルドー』や『ガレットデロワ』のような伝統菓子を紹介してきたことはよく知られています。
それなのにパンの伝道師ではあっても、お菓子の伝道師と呼ばれることがありません。パン屋さんだから? それってちょっと偏狭に過ぎませんか。当ブログでもついつい醗酵系のお菓子ばかり紹介して、ついつい焼菓子の紹介を引き延ばしてしまっていました。反省。
今回、ようやく定番の焼菓子の紹介をまとめてすることとなりました。ビゴさんの魅力の一端、強力な一端をお伝えできれば幸いです。


●『マドレーヌ』 7.5×4.7cm 厚み2.7cmほど。
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プクッとした出べそといい、サワッと乾いた食感でいて、サラッと溶けて行く口溶けといい、いかにもマドレーヌ。

本来乾いているからこそ、紅茶に浸して食べるというプルーストの発想がうまれるのでしょう。

味わいの優しさと、ふわっと香るレモンの香りの濃度の軽さがぴたりと寄り添っています。
とても品がいいです。





●『フィナンシェ バニラ』 4×8cm 厚み2.5cmほど。
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こちらはむっちり。
めずらしくラム酒を使っていて、バニラとの相乗効果で甘~い香り。

普通は焦がしバターとアーモンドの香りで食べさせるお菓子だと思うのです。
が、こちらではフィナンシェは3種類あり、ほかにもショコラと紅茶のものがあり、フレーバーシリーズということのようです。

これだけは王道の伝道の線から少し外れているようです。
それともこのスタイルもフランスで一般的?




●『ガレットブルトンヌ』 径6.3cm 厚み1.7cmほど(表面のドリュールが剥げたところがあってオフプライス)。
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こちらは再び、王道路線。

ザクザクホロホロの生地。
卵黄の豊かな味わい、風味にラム酒の香りがホワッと広がります。

濃厚というわけではないのですが、豊かな味わい。生地の黄色い色を見れば納得できるところです。

厚みは薄めなのに、ザクッと強い食感と共に脆く崩れてしまうところも、ちょっとした快感。いいですね。




●『フロオータン』 4×7cm 厚み1.4cmほど。
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パキンと割れる固い生地の上に、ほんの少しぬっちゃり感のあるアーモンドスライスのヌガー。

フロランタンの定型です。

アーモンドとカラメルの香りも食欲中枢を刺激する魅力的なものですが、オレンジピールを少し加えることで、一段と華やかに、そして気品高いものに仕上げています。

この手法、たしかムーランさんも取り入れていたのでフランスでは普通なのかも知れませんね。




●『ガトー・ノワ』 4×11cm 高さ2.5cmほど。
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わっ、大きい!

こちらはエンガディナーとかグルノーブルアと呼ばれる類いの、クルミのヌガー和えを巻き込んだ、ミルク味の生地のお菓子。

クルミ盛り沢山で贅沢な味わいですが、周囲のミルク味の素朴な生地のボソボソ感がピタリと合っているんですね。
伝統というのは、こういう組合わせの発見を一途に守るところにあるのでしょう。

大好きなお菓子なので、単純に大きいことも嬉しいですね。




こちらの焼菓子は個包装でエイジレスを入れて長持ちさせています。賞味期限はかなり長い方の設定です。だからこの値段で提供できるのでしょう。もちろん、企業規模もありますけどね。
最近、焼菓子も生鮮食品のように神経質に短い賞味期限に区切って売っているところが増えてきました。バターの美味しさに頼っているところはたしかに酸化した悪い匂いに変わりやすいのかもしれません。しかし、美味しさ追求の結果は1個200円、300円以上という、心して食べなければならない価格を招いています。うーん。
今回『マドレーヌ』は賞味期限に近くオフプライスになっていたのですが、味わいにはなんの違和感も感じませんでした。
そうそう、これらのお菓子、手に持って食べたのですが、指先に移り香が。ミルクというか、バターというか……最後まで幸せ気分に満たされたことを明記しておきましょう。



●『マドレーヌ』オフプライス137円  『フィナンシェバニラ』158円  『ガレットブルトンヌ』オフプライス147円  『フロオータン』158円  『ガトー・ノワ』273円

●「オ・ボン・ガトー・ビゴ」
 兵庫県西宮市松下町9-33  TEL0798-37-3328  定休日/月曜

※ブログ「パイ日和」(http://pie.at.webry.info/201102/article_1.html)にも、このお店のパイを紹介しています。よかったら、どうぞ。