フリアンド (2) 『バゲット アジャン』『ブルーベリーのカンパーニュ』『いちじくのリュスティック』

兵庫県西宮市、阪急神戸線・夙川駅から東へ5分ほど、高架下に「フリアンド」というというパン屋さんがある。創業60年を超える老舗だ。
歴史があるとはいっても、古いレシピにしがみついているわけではない。3代目シェフ谷口さんが新しい息吹を注ぎ込んでいる。
日常使いの人気店だが、それだけでは納まらない品質の高さに老舗の心意義が感じられる。


●『バゲット アジャン ドゥミ』 24.6×7.3cm 高さ5.5cm 160gほど。
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アジャンというのは、ボルドーからガロンヌ川を大分遡ったガロンヌ県の県庁所在地。
確認していないが、おそらくシェフが修業した場所かなにかなのだろう。

バリッとしっかり焼けたクラストの食感、香りの高さにフランスらしさを感じる。
生地は黄色っぽく、風味が強い。
ルヴァン種を使っているということで、じんわりした旨味も十分。

かといって、これでもかと人を圧倒するような印象ではなく、何気なく素直に美味しいところに日常性を重視している姿勢が表れているようだ。
もちろん価格的にも、1円/gを切るコストパフォーマンスの高さ。

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譬えが変だけど、食事パンとして白ごはんではなく、炊き込みごはんに当たるかもしれない。
日常的だけど少しご馳走。そんな位置付けが似合うパン。お見事。







●『ブルーベリーのカンパーニュ』 径14.5cm 高さ7.2 370gほど。
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以前、こちらの『ミッシュブロート』が圧倒的に安く、そこそこお気に入りだったのだが、現在は作っていないという。
その代わりに登場したのが、『カンパーニュ』。

そのアレンジバージョンで、セミドライのブルーベリーがたっぷり入っているのが、これ。

生地の色から判断して、ライ麦が10~20%入っているのかなぁ。
コクのある味わいとブルーベリーの凝縮した味わいの濃度がぴたりと一致していて、仲良く寄り添っている。加水の多いタイプで、しっとりした食感がブルーベリーの持ち味にふさわしい。

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食事パンとしても成立し、そのままおやつとしても満足感がある。

我が家では、最後の1/3は、クリームチーズを載せ、けっこう上等なデザートとして食べた。いいね。







●『いちじくのリュスティック』 7.7×8.5cm 高さ5.3cm 100gほど。
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フランスパン生地に、クルミとイチジクがけっこうゴロゴロ入っている。

サックリ軽く焼けていてクラストは芳ばしい。
フィリングのバランスも良く美味しい。

ただ、クルミは焼いた芳ばしさに乏しいので、軽くトーストして食べたほうが本領を発揮するだろう。
これまた、クリームチーズとよく合う。


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加水の多い生地を、あまり捏ね上げず、成形も雑なまま、手を掛けずに焼いてしまうのがリュスティックだったと思うけれど、これはフランスパン生地だけど、四角く切り分けた形がそのまま保たれている。
その辺がリュスティックらしいのかな。





谷口シェフ、かなり腕のある人とみえる。バゲットという基本のところで、しっかり存在感を発揮するあたりに蓄えられた力の大きさとセンスを感じざるをえない。
いずれちゃんと話を聞いてみることにしよう。



●『バゲット アジャン ドゥミ』150円  『ブルーベリーのカンパーニュ』300円  『いちじくのリュスティック』210円

●「フリアンド」
 兵庫県西宮市若松町3-1  TEL0798-23-0101  定休日/無休