レ・プティット・パピヨット(2) 『ボンボンショコラ(ノワール・シトロン・ほうじ茶・ジャンドゥーヤ…

昨日に続いて、「レ・プティット・パピヨット」。
本日は、ボンボンショコラ。さて、その実力のほどをご堪能あれ。(今回の担当はクボタ)


ボンボンは4つのカテゴリー(『SO CLASSIC』 『TRADITION』 『THE』 『PRALINE』)に分けられ、それぞれ4種類ずつの品揃え。プラス、毎日シェフの気まぐれが1種類。
まずは、各ジャンルから一つずつ。そして、本日の気まぐれを加えてみた、

画像●『ノワール』 2.9×2.2cm 厚み1cm(カバーチョコ:上下1.5mm 側面1mm)ほど。
TRADITIONシリーズの一つ。
ほかに、『ラクテ』『カフェ』『ラム』。

生クリームをふんだんに使った口溶けのいいビターなガナッシュ、とある。
カバーチョコの力強い存在感を味わっていると、いつしか、中のガナッシュが優しくスルスルと溶け、しっかりした苦みが芯にあるのだが、生クリームの人の心を和ませる柔らかさに満たされている。

味も香りも気を衒わず、王道を行く力強さがある。しかも、押し付けがましさをまったく感じさせない上品さと親しみのこもった笑顔が込められているようにすら感じられる。

ベーシックな『ノワール』でこれだけの実力を発揮するとは、チョコレートへの愛情のただならぬものが伝わってくる。



●『シトロン』 同サイズ
SO CLASSICシリーズの一つ。ほかに『ミエル』『ヴァニーユ』『塩キャラメル』。

レモンの皮で香り付けしたさわやかな口溶けのガナッシュ。
レモンの清々しい香りがたっぷりだけど、ここでもやはり、押し付けにいたらないレベルに品良く香らせている。ほんのり酸味も加えられていて、フルーティーだが本来のチョコレートの魅力を裏切らない。

フルーツを使う場合、酸味の魅力に負けて、チョコレートが脇役に回っているケースが多いが、これはあくまでチョコレートが主役。
それでいて、食べ終わっていつまでもレモンの香りの余韻に浸っている。なんとも絶妙のバランス感覚。



●『ほうじ茶』同サイズ。
THEシリーズの一つ(Eの上にアクサンテギュ)。ほかに『抹茶』『玄米茶』『煎茶』。

ほうじ茶独特の芳ばしさを抽出したガナッシュ。

ほうじ茶は最近、アイスクリームやシフォンケーキで時折見掛けるようになったが、まだまだ使われる頻度は低い。お手本のないなかで、ここまで風味を抽き出し、チョコレートの苦みに色合いの異なる輪郭線を沿わせてみせた力量は並ではない。
ほうじ茶の優しい香りを楽しみながら、二つのほろ苦さが交錯する。

個数を食べ進むにつれて“テディ・ワールド”に引き込まれていき、ワクワク感が増してくる。



●『ジャンドゥーヤ』 同サイズ
PRALINEシリーズの一つ(Eの上にアクサンテギュ)。ほかに『アマンド』『ノワゼット』『セザム』。

ビターチョコのジャンドゥーヤとミルクチョコのジャンドゥーヤの2層仕立て。

ナイフできれいにカットしてそれぞれの層を確認して食べたので、2層の違いと組み合わせる意味を感じることが出来たが、粗雑に食べると中間的な味わいに終わってしまうかもしれない。

ミルクチョコと合わせたヘーゼルナッツはやや官能的。ビターチョコとあわせた方は力強く野趣がある。
ほんの短い時間ではあるが、二つの味わいが溶け合う大理石模様の複雑さが、2層に仕立てた面白さだろう。



●『ローズ』 同サイズ
本日の気まぐれ。ローズ風味に、たしかヴァニラも入っていたような。

ローズというと、今ではどうしても「エルメ」のお菓子を思い浮かべてしまう。いつだったか、ローズフェア開催中の青山の店を訪れた時、店中に薔薇が飾られ、香水もふんだんに香っていて、頭がクラクラするほど。
その経験があるから、どうしてもバラというと、つい濃厚な香りをイメージしてしまっていた。

だけど、こちらのものはほかのボンボンと同様、品良くほのかに、の路線が守られていた。
バラの香りには甘い味わいという予測も外れ、ビターな味わいにほんのりフローラルな香りが漂い、マダガスカルあたりの単一品種のチョコレートを食べているような錯覚にとらわれた。


画像お気付きだろうか。珍しいことに、ボンボンにアルコールを使ったものがない。
いや、あるにはあるのだが『ラム』1種類のみ。シェフはあまり呑めない質。
それに、アルコールの風味がチョコレートに勝ってしまうことを避けたいという思いもあるようだ。
試食の『ラム』も、ラムの香りの立ち上がりを抑えているようで、チョコレートの風味を味わった後に、ラムが香って来た。チョコレートへの思い入れの強さが伝わってくるようだ。


クロシャールさんのショコラティエとしての経歴は浅いけれど、チョコレート本来の魅力に忠実に、クリアな味わいを作り出す技は端倪すべからざるものがある。
恵さんも、販売スタッフも彼の作り出すボンボンやケーキの魅力に夢中になっていることが伝わってくる。ケーキもスタッフも愛すべき店だ。



●『ボンボンショコラ』
  『ノワール』『シトロン』『ほうじ茶』『ジャンドゥーヤ』各260円    『ローズ』300円

●「レ・プティット・パピヨット」
 大阪市西区京町堀1-12-24  TEL06-6443-7875  定休日/月曜・火曜

※ブログ「パイ日和」では、このお店の『タルトレット オ ショコラ』を紹介しています。