パンヤ ア ラ ボンヌミッシュ (1)『食いしん坊のバゲット』『クリームパン』『クーロンヌ』など7種

京都府宇治市、JR奈良線小倉駅から南東に5分ほどのところにある「Panya a la Bonne Mich(パンヤ ア ラ ボンヌミッシュ)」。初めての登場だ。
小さい店だが、1点ごとに、考え抜かれたアイデアが込められ、ネーミングとともに楽しく味わうパンが揃っている。


●『魔法のステッキ』 長さ16.5cm 幅3.7cm 高さ3cm 100gほど。
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カンパーニュ生地にレーズン、クルミ、クリームチーズがたっぷり入っている。

この3つの組み合せがすこぶる美味しく、魔法にかけられたように虜になってしまう。
ということから、ステッキ型に焼いて、その名も『魔法のステッキ』。

少しゴツゴツした見掛けが、魔女の杖に見えなくもない。

口上通り、クルミの芳ばしさ、レーズンの甘さと ほの酸っぱさ、チーズのコク。
それぞれの組み合せが元々相性のいい取り合わせ。
3つが揃ってもまったく違和感がないし、バランスもいい。

生地の力強い味わい、噛み応えのある食感も、フィリングに負けずに主張して、美味しいおやつではなく、美味しいパンを食べているという思いを強く抱かせてくれる。





●『食いしん坊のバゲット』 24×7.8cm 高さ6.5cm(max) 210gほど。
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バゲット、なのに、この形? 

ショーカードには、フランス人はバゲットの端っこのカリカリ部分が大好き。そこで、端っこが4つ取れる形を思い付いたとある。

ふむふむ、バゲットを2本くっつけたような形。たしかに端っこが4つ。“4つのカリカリ”を楽しむパンとの触れ込みだ。

なるほど“4つのカリカリ”は美味しい。

だけど胴体の部分はバタールのように太くなっているので、クラムもたっぷり。目が詰まっているし、バゲットでは考えられないほどもちもち。
クラストを食べるためのと言いつつ、クラムファンをも満足させようという欲張りなパンのようだ。
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外国産小麦、ライ麦、ごく少量のイーストで長時間醗酵。味わいの深いパンだ。











●『おつまみフィッシュ』 28×3.8cm 高さ2.5cm 70gほど。
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カンパーニュ生地に、オリーブ、生ハム、自家製アンチョビオイルが練り込まれている。
表面にエダムチーズ。

同じカンパーニュ生地だが、焼き時間が短く、焼き上がりの色が『魔法のステッキ』とずいぶん違う。

フィッシュというけれど、シラスを大きくしたような不思議な形。アンチョビオイルを自家製するところなど、かなり熱がこもっているようだ。

基本塩味で、おつまみという意味がよく分かる。具材の味は控え目で、パンが主役の美味しさ。
やり過ぎない、さりげない美味しさを知っている。お主やるな、といったところ。





●『ボンヌミッシュ風ジェノヴェーゼ』 18.5×11.5cm 厚み1.8cm 130gほど。
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ジェノヴェーゼソースが大好きで、つい手が伸びる。

食パン生地を使ったピザ風のパン。
トマトソースではなく、ジェノヴェーゼソース。

具材はトマトの角切り、ゆで卵、モッツァレラチーズ、エダムチーズ、アンチョビオイル。

ふーむ、悪くないね。かなり趣味のいい上等のピザ。これも、さりげない路線。

ジェノヴェーゼを期待した割りには、バジルがやや大人しかったかな。松の実も感じなかったし。
こちらの妄想が走り過ぎているということなんだけど。







●『オレンジのクリームパン』 径10.5cm 高さ2.7cm 80gほど。
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自家製のカスタードにオレンジが刻み込まれ、トップにもオレンジの輪切り。

シンプルな『クリームパン』もあるが、こちらに惹かれた。

オレンジの清らかさ、爽やかさがクリームパンをエレガントな装いに変身させている。
それでいて、クリームパンの日常的な優しい世界も失っていない。

シンプルだけどよくできた美味しいパン。






●『クーロンヌ』 径20cm 高さ5.5cm 290gほど。
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クーロンヌ( couronne 王冠状の)という名の通り、大きな冠。
ちゃんとぎざぎざも付いている。大きくて頭でっかちの王様。

またこの王冠が、安い。このヴォリュームで、420円。

ふっくら泡ばかりとも言えるけれど、卵たっぷりのリッチな生地。
ブリオッシュほどバターを使っていないし、グルテンも出していない。
けれど、味の方向性はかぎりなくブリオッシュ。

優しい味わいで、するすると喉を通っていく。気が付いたら、あっという間に半分くらいはペロリと食べてしまっていた。小腹でも空いていて、自制心が弱まっていると、ああという間に平らげてしまうだろう。

何も具の入っていないシンプルなパンだが、生地自体が美味しすぎる。




●『ほうじ茶のメロンパン』 径9.5cm 高さ4.7cm 70gほど。
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こちらも本体部分は『クーロンヌ』の生地に近い。やや目が詰まって、やや重いかな。

表面のクッキー生地がメロン風味ではなく、ほうじ茶風味。
北川半兵衛商店のお茶を使っているそうだ。
チョコやコーヒー風味は見たような気がするが、ほうじ茶ははじめて出会ったのではないだろうか。

じつは小生、メロンパンが苦手である。
クッキー生地というけれど、クッキーのようにサクサクせず、パンの水分を吸って、湿気たビスケットのようになっているのが大半。

このクッキー生地は比較的よく焼けていて、かすかにだが、さっくり感があって幻滅は感じない。
ほうじ茶の香りが高く、スッキリと味わい深いパンになり得ている。




今回は置いてなかったが、タルトもいくつかあるらしいので、宇治方面に出掛けたら、また寄らなければならないだろう。それほど満足感を与えるパンが並んでいる。
この地でもう4年以上頑張っているようだ。このひねりのある品揃えで地元から愛されているのだから、大したものだ。




●『魔法のステッキ』199円  『食いしん坊のバゲット』283円  『おつまみフィッシュ』199円  『ボンヌミッシュ風ジェノヴェーゼ』241円  『オレンジのクリームパン』168円  『クーロンヌ』420円  『ほうじ茶のメロンパン』147円

●「Panya a la Bonne Mich(パンヤ ア ラ ボンヌミッシュ)」
 京都府宇治市南陵町1-1-369  TEL0774-23-4832  定休日/日曜・月曜