BONNAT ボナ(1)『ハイチ』(チョコレート)

フランスの南東部、冬季オリンピックで有名になったグルノーブルの近く、地図で探すのにも時間がかかるほど小さな町 Voiron (ヴォアロン)に、1884年創業の老舗ショコラトリー があります。 「BONNAT (ボナ)」です。
ただ古いだけではありません。今流行りのシングルビーンズのチョコレートを100年も前から作りつづけているのです。しかも、そのタブレットの種類は25種にも及びます。さらに、希少な品種の復活、保護にも力を入れていて、徐々に増えつつあるようです。
今回は、そのうちのわずか1種類ではありますが、口にしましたのでご紹介しましょう。


●『ハイチ』 7.5×15cm  厚み1cm  100gほど。
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グランクリュ・シリーズという名で、シングルビーンズのタブレットを販売しているのですが、その中でも、とくに希少なカカオについては、クリュ・ドゥ・エクセプションという特別枠が設けられています。

『ハイチ』もその中の一つ。

キューバの東のイスパニョーラ島をドミニカ共和国と分け合っているのが“ハイチ”。
先年、大きな地震に見舞われて、今も復興がままならないようですね。

“フルーティーな酸味と刺激的な香り”、という説明に惹かれて購入。
カカオ分75%ですが、おやっ、強い苦みには感じません。滑らかに融けていきますが、やや、粉っぽさが残ります。
でも、それ以上に味わいの広がりが強く、すぐに気にならなくなります。力強く豊かな味わい。

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フルーティーな酸味という表現は、おそらくマイルドな酸味を指しているのでしょう。
苦みを陰から支えるようにほのかに感じられる酸味が、味わいの奥行きを作り出しているのは確か。
さらにミネラルの刺激が複雑に絡み合ってきます。複雑で飽きのこない味わいです。

刺激的な香り、ふむ。
フローラルでもフルーティーでもない。ナッツでもないし洋酒でもない。甘くもない。強いて言えばスパイス的な刺激? いやいやミネラルの金属的な香り。
どこか暗く沈んだ落ち着きへと静かに誘うところがありますね。




ウィスキーのシングルモルトやセパージュワインの広まりは近年になってのこと。
チョコレートが先を行っていたとは驚き。ヴァローナやカカオバリーなども後を追って、大いにシングルビーンズの考えを広めています。
パンフレットによると、「ボナ」はかなり狭い地域限定を行ったり、気に入った農園だけに絞り込んだり。現・4代目当主のステファン・ボナが熱心に現地に赴いて、厳密にチェックを行っているようです。そのことが、つねに一歩先んじる老舗を支えているのでしょう。
機会があれば、また別のタブレットも食べてみたくなりました。



●『ハイチ』(タブレット)1260円

●「BONNAT(ボナ)」
 Voiron,Isere France