ア・ビアント (3) 『ペイザンヌ』『ライ麦メランジュ』『クグロフ』

大阪府箕面市、北摂で名を馳せるパンの店「ブーランジュリー ア・ビアント」。
この日は牧落の箕面店を訪ねたが、隣の駅、阪急箕面線の終点・箕面駅前に販売店を1週間前にオープンしたばかり。ここ箕面店の人気が高いがゆえに、歩いてでも行ける距離に新たな販売店を開いても、やっていけるということのようだ。
早々に売り切れつつある新店に商品の補充を行うべく、“ア・ビアント号”なる車が出かけるのを見送ったのだった。
その人気の商品の一端を紹介しよう。


●『ペイザンヌ』 19.8×8cm 高さ6.5cm 175gほど。
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グラハム粉20%、全粒粉10%、ライ麦10%。
グルテンの出にくい粉が半分近くも入っているのに、全然ボソボソしない。

松尾シェフ自ら“なんちゃってペイザンヌ”と言うように、クラスとも薄いし、生地はふっくら。
日本人好みの美味しさを追求した“農家風”パン。

焼戻しをすると、表面のサックリとした切れ味が増し、クラムのふっくら、ふわふわ感がより強調されて美味しい。生地そのものの甘みがじんわりとわき出してくるので、何もつけなくてもパクパクと食べてしまう。


シェフにペイザンヌとリュスティックの違いを尋ねてみたら、“ペイザンヌが伝統的なパンで、リュスティックは近年になって素朴さを目指して開発されたもので、成形をしないなどの武骨な作り方に特徴がありますね”と、明快。
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原典をよく知るシェフが、味わいの豊かな粉の味わいに親しんでもらおうと、食べやすく改良。
こういう味わいの食パンがあってもいいくらいだ。








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●『ライ麦メランジュ』 19.2×8.8cm 高さ6cm 270gほど。


こちらは、ライ麦30%ほどだろうか。
そこにクルミとアプリコット、レーズン、カランツがたっぷり入っている。
ルヴァン種を少し加えた醗酵とのこと。

ライ麦のじんわりとした味わいが奥深い背景を作り出していて、クルミやレーズン類の美味しさを際立ててくれる。ほとんど菓子パンレベルの美味しさ。

アプリコットが黄色い明るさだけでなく、酸味の部分でも華やかさを加えてくれている。

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このままで十分に美味しいけれど、クリームチーズをつければ、さらに美味しさが増し、十二分の満足感が得られるだろう。








●『クグロフ』(ハーフ) 底径13.5cm 高さ7,5cm 140gほど。
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“これは美味しいよ”と、シェフもお気に入りの様子。

ブリオッシュ風のリッチな生地。
イチジクにカシューナッツも入っているところに特色がある。
サワサワボソボソボソとした食感だが、しっかり焼かれた生地に特有の歯切れの良さと、口溶けの良さ。なめらかな味わいが楽しめるだろう。

セミドライのイチジクの美味しさはピタリと寄り添っている。
カシューは生地の中にあって、水分を吸って、茹でピーナッツのようなクニュッとした食感をやや含んだものになっている。かなり珍しい味わい。

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パティスリーではケーキタイプのクグロフに出会うけれど、こちらのものはブリオッシュよりはバター少なめで、リッチとはいえ、やはりパン屋さんのお菓子の素朴さもとどめている。
朝食にもりもり食べられる、ほどの良さが魅力だな。








相変わらず、活発な「ア・ビアント」。猛烈な暑さに“暇で暇で”といいながらも、ひっきりなしに途絶えることなく客が来るところが、実力店の底力。こちらまで、元気がもらえるね。



●『ペイザンヌ』252円   『ライ麦メランジュ』400円  『クグロフ(ハーフ)』315円

●「ブーランジュリー ア・ビアント」箕面店
 大阪府箕面市牧落3-11-2  TEL072-725-8060  定休日/月曜