アルチザナル(2)『トラディッション』『ベーコンエピ』『ソーセージ』『コンテ』『くるみぱん』

京都、河原町今出川の交差点から西へ。寺町の通りより手前・北側にあるのが「ブーランジュリー アルチザナル」。
シェフの水口映貴さんは幅広い修業を積んできた人のようだし、奥さんの由樹子さん共々食べ歩きが好きだという。そういう経歴、人間性が素直にパンに表れていて、趣味の良さに惹かれる。
なお、『トラディッション』以外は、腹ペコのお昼に外で急いで食べたので、今回は、簡単な紹介にさせてもらおう。


●『トラディッション』   長さ47cm弱 幅6.4cm 高さ3.7cm 220gほど。
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トラディッションとは、“トラディッション・フランセーズ”という名の粉の名前から採られたもの。
フランスのバゲットコンクールの優勝者の面々が使っているということで有名になったもの。

タイプERという粉とあわせ、少量のイーストを使って冷蔵のオーバーナイトの醗酵、硬水と上水、塩しか使っていないという、バゲット本来の製法に忠実に作られている。

元々『バゲット』という姉妹品があり、仕込みの関係で昼からの焼き上がりになり、売れ行きが良くなかったので、これを廃止。
元来の『トラディッション』と『バゲット』との中間的個性になったのが、現在の『トラディッション』だそうだ。

大きく変わったのは、老麺の使用をやめたこと。
濃厚な醗酵風味ではなく、素直に粉の香りに頼った作りに変わったようだ。
醗酵風味はそれ自体、魅力のあるものだが、逆に粉の風味を隠してしまう部分もあるわけで、以前より淡白になったのだろうけれど、商品名によりふさわしい焼き上がりになったと言えそうだ。


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どんな食事にも合う万能型のバゲット。

バターにもチーズにも合うし、ジャムも合う。食事を引き立てる、という意味でレストラン向きのパンかもしれない。







以下3つの総菜パンは『トラディション』の生地を使ったもの。
●『ベーコンエピ』   長さ24cm 幅4.5cm 厚み2cmほど。
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ベーコンに、エストラゴン入りマスタードを塗っている。

マスタードの辛みはなく、香りとエストラゴンのかすかなほろ苦さが感じられるのかな。

生地がベーコンの水分や脂肪を受けて、バゲットのとき以上にもっちり感じられる。
ベーコンも質のいいもので、美味しく食べられる。












●『ソーセージ』   13.5×5.3cm 高さ2.8cmほど。
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こちらは大山のソーセージが使われている。

やはりもっちり。
ソーセージのボリュームを受け止める強さがある。


ソーセージが美味しく、ニンニク、黒コショー入りで少しピリ辛。
はっきり総菜としての満足感が味わえる。







●『コンテ』   9.5×7cm 高さ4.3cmほど。
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こちらはシェフが一番好きだという“フランス産コンテ”チーズが使われている。

表面のものはカリッと焼けて香ばしく、生地に射込まれたものは溶けて脂肪が流れ出していて、生地になじんでいる。

シンプルだけど、癖になるね。








●『くるみぱん』   8.7×6.5cm 高さ3.7cmほど。
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こちらは“パンオレ”生地。

ローストしたクルミが比較的大粒で入っていて、クルミを食べた満足感が強い。

クルミからにじみ出てくる旨味、甘みと、生地の優しい甘さとがよく合っている。
素朴で優しいおいしさ。









ごくシンプルでメインの素材を入れただけ、のよう。
なのに気が付くと、なんとも趣味のいい食事をした感覚が生まれている。素材の選択、その美味しさを逃さない調理が出来ているということだろう。食べるほどに好きになっていく店だね。



●『トラディッション』300円  『ベーコンエピ』210円  『ソーセージ』220円  『コンテ』200円  『くるみぱん』150円

●「ブーランジュリー アルチザナル」
 京都府上京区今出川通寺町東入ル一真町89  TEL075-744-1839  定休日/水曜・木曜

※ブログ「パイ日和」では、このお店のパイを紹介しています。