ナカガワ小麦店(3) 『バゲット・ルージュ』『パン・コンプレ』

京都、下鴨本通、神社の北に位置する「ナカガワ小麦店」。
絞り込まれた定番のパンがご近所に愛されるパン屋さんだ。名前の通り、粉の味わいをしっかり追求した満足度の高いパンに出会える。
その姿勢は明確で、種類は少なく、総菜パンはいっさい置かない。流行りに背を向け、ひたすら粉の美味しさに忠実に、という気持ちが伝わってくる。


●『バゲット・ルージュ』  44.5cm×7.2cm 高さ4.8cm 210gほど。
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ルージュというのは、クラストの焼き色を表現したものとのこと。つまりはビアンキュイを意味していると言っていいだろう。

購入当日、予定がずいぶんズレ込み、帰宅が深夜近くになり、やむなくラップで密封し冷凍。後日、解凍し焼き戻して食べた。焼き戻しの心得はあるつもりだが、申し訳ないことをした。

それでもなおかつ、活き活きとした明瞭な主張のあるバゲットだった。
フランス産の小麦を日本で製粉したものと北海道産、北米産を混ぜている。酵母を極力減らし、低温長時間醗酵。
粉の旨味、甘みに加えて、醗酵の旨味も深く、濃厚な味わい。香りも豊かだ。
とくに細く先細りに成形された“端っこ”の香ばしさは素晴らしい。
クラストは全体に強く、やや薄めなので、歯切れもいい。
クラムはもっちりと引きが強く、味わいが豊か。
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成形のおかげで、食べる部位ごとに味わいが異なり、真ん中では香りより味、端では味より香り、いやいや両方濃厚だ。
ガリガリとした痛快な食感も良く、楽しめる。

食べ進むうちに変化があり、よく考えられたバゲット。素晴らしいね。







●『パン・コンプレ』   30.5cm×11.5cm 高さ6.4cm 510gほど。
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自家製全粒粉100%。

1年前に食べた時にも書いたように、黒ビールを味わうときのように、ほろ苦さと甘さが程よくブレンドされていてコクの深い、味わい豊かなパンだ。

当ブログは同じ商品について2度書かない主義。書くときはレシピが変更されたとか、なにか新しい発見をしたという時に限られる。

しかし、今回は1年前のノートとまったく同じ感想を記すことになった。
これほど同じということも珍しく、あえてその強烈なインパクトについてお伝えしておこうと思った次第。

昔のドイツの黒パン(ライ麦パン)の流儀に倣ったような、よく焦したカラメル入りではないかと思わせる甘みとほろ苦さが特徴。もちろん全粒粉の味わいの深さもある。
ちなみに小麦は有機のもの、製粉は店内で手碾きしている。画像


食べつけるにしたがって好きの度合いが増していく、精神的な中毒性のあるパン。まあ、癖になるということです。








中川夫妻は若いにも関わらず、芯の強い、信念の人たちという感がある。2013年11月で丸2年が経過するわけだが、いっさいブレがない。天晴れの確立ぶり。
ただ、月代わりの商品が1品でもあると、ずいぶん楽しくなるだろうと思ってしまう。一人で作っているのが分かっていて、酷な注文かな。



●『バゲット・ルージュ』230円  『パン・コンプレ』630円

●「ナカガワ小麦店」
 京都市左京区下鴨松ノ木町52-1  TEL075-702-6672  営業時間/9:00~18:30  定休日/月曜&火曜