ビゴの店(9)『パン オ ルヴァン』『フロッケン・セザム』

お馴染み「ビゴの店」。本店はご存じの通り、芦屋の2号線沿いにあるが、ここ神戸店も、場所が便利でよく利用する。
最近は本格的なフランスパンの店が増えて、「ビゴの店」の優位性が薄れたように言う向きもあるが、いやいやまだまだ、その存在意義は薄れていない。1品1品の完成度の高さと日常性の融合点の見いだし方など、消費者にとって喜ばしい店であるということでは、逆に年々価値を高めているほどだ。
品揃えの豊かさという点でも群を抜いており、この日もハード系のパンを求めて三宮を歩いて、結局ビゴ頼みとなった次第。(担当:クボタ)


●『パン オ ルヴァン』  21.5×10cm 7cm 250gほど。
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手に持つと、すでにルヴァン種の酸っぱい香りが上がってくる。

この香りが味わいを深めていて、食べると、ほの酸っぱいレベルなのだが、味わい濃厚で奥行きが深く感じられる。

クラストの芳ばしさとともに、このパンの主役といってもいいだろう。

もちろんクラストのカリカリの食感、クラムのモチモチとした引きの強い噛み応えなど、パンを食べる楽しみの芯を外していないことは言うまでもない。

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まさにお手本のような焼き上がり、食べ応え。
やっぱりいいね。









●『フロッケン・セザム』  6.7×7.6cm 高さ7.3cm 260gほど。
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Flocken(フロッケン)とは、独語で“薄片”のこと。
Sesam(セザム)は“ゴマ”。

最近、ドイツ的な素朴で重厚なパンが増えているようだ。

見かけはブロックだが、なるほど8枚切りになっていて、1枚は7mmに満たない。

そして、周囲はびっしりゴマ。生地はおそらくライ麦比率の高いミッシュブロート。
中にはイチジク、クルミ、レーズンがたっぷり。

生地とゴマがベースの味わいを築いていることは間違いないが、すべてが調和した甘いおいしさ。
雑穀のミュズリを食べているような味わいだ。

フルーツ類の水分が多く、低温で焼いているのか、クラストはほとんど形成されていない。
その分、ゴマが表面を覆って、サクッとした切れ味を作り出しているようだ。

よく考えられた仕上がり、お見事。




しばらくご無沙汰していたけれど、久しぶりに食べると、家へ帰ってきたような安らぎと嬉しさがある。
これで育ってきたという歴史もあるけれど、それ以上に大地に根ざした安定感、安心感のような形にならない満足感がある。さすが。



●『パン オ ルヴァン』367円  『フロッケン・セザム』299円

●「ビゴの店」(神戸店)
  神戸市中央区御幸8-1-6 神戸国際会館B1  TEL078-230-3367  定休日/ほぼ第2水曜  営業時間/10:00~20:00