パティシエールUTAKO(ウタコ)(6)『モンブラン』『かぼちゃのチーズケーキ』『エキゾチック』
大阪府高槻市、JR京都線・摂津富田駅から西へ5分ほどのところにある「パティシエール UTAKO 」さん。いかにもフランスの家庭で好まれていそうな伝統的なフランス菓子に、シェフ中塚雅子さんは自分の想いをたっぷり込めつつ、誰もが笑顔になってしまうお菓子を作りつづけています。
オープン3年半にして、ますます佳境に入ってきている印象を受けました。
●『モンブラン』 径7.5cm 高さ5.8cmほど。

こちらには、本日ご紹介する『ビスキュイモンブラン』のほかに、もう一つ、『メレンゲモンブラン』があります。
『メレンゲモンブラン』は、湿気るのが嫌で、オーダーが通ってから組み立てられ、2時間以内に食べるようにと念を押されます。しかも、中塚さんが手隙のときにしか対応してもらえません。
そんなことから、“幻のモンブラン”と呼ばれているとか。私たちもまだ目にしていません。
ということで、『ビスキュイモンブラン』。
昔懐かしい黄色いモンブランのように、生地にビスキュイが使われています。2枚のビスキュイの間に、生クリームで少し伸ばしたマロンペースト。
中に、手剥きした自家製の和栗のシロップ煮のダイスがたっぷり。ラム酒の香りが利いていますね。
ほとんどの場合、シロップ煮や渋皮煮がホールで入っていますよね。
でもシェフは、中心に到達するまで栗に出会わないのは寂しい、待ちきれないという思いでダイスにして、全面に栗の満足感を広めようとしているのです。
たしか前にも『クグロフ マロン』で同じようなことをおっしゃっていましたけっね。一口目から、たいやきの尾っぽにも餡があっていいじゃないの、というタイプ。
ふむ、たしかにどこを食べても栗! 栗! いやあ、いいですねぇ。
上を覆っている生クリームは無糖、全体を覆うモンブランクリームはフランス産と和栗のペーストをシャンティで口溶け軽く伸ばしたもの。
中心のマロンペーストに焦点が当たるように味わいは淡く抑えられ、口に入れた瞬間の軽さを強調。
その後に押し寄せてくるラム酒の香り、栗の満足感にノックアウトされる仕掛けになっています。
モンブランらしいモンブラン、王道の味ですね。
とはいえ、カリッサクッのメレンゲの食感を活かした“まぼろし”の方も、和栗100%というだけに心が揺れますねぇ。
●『かぼちゃのチーズケーキ』 辺6.5cm 高さ7.7cmほど。

鹿児島で暮らすご両親が無農薬で丹精込めて作った“栗カボチャ”を使ったチーズケーキ。
底生地はジェノワーズ、アパレイユに使われるチーズはフィラデルフィア(クリームチーズはいろいろ試した結果、酸味や塩気、風味に求めるものがあり、けっきょく最初に戻ったとか)。
基本中の基本ともいえる構成ですね。
焼き色がつかないように湯煎にしてフタをして焼き上げた後、黍糖で表面を軽くカラメリゼ。
チーズケーキの場合、カボチャのペーストをアパレイユに混ぜて焼き上げるものが多いようですが、あえて角切りの蒸しカボチャを何も味付けせずにコロコロと加えています。
おかげでカボチャの味わい、存在感がくっきりと表へ出てきています。カボチャそのもののじんわりとした甘みとホクホク感は、大人しい味なのに人を惹き付ける力がありますね。
とはいえ、激しい主張ではありません。優しく、穏やか。
チーズ風味のカボチャケーキという趣き、と云えば近いでしょうか。
購入したカット売り以外に、径11cmのミニホールもあります。季節柄、手作りのハロウィンクッキーでデコレーションされていて、ふふっ可愛いですよ。
●『エキゾチック』 径7cm 高さ5.3cmほど。

新顔、マンゴー主体のムース。
秋なのに、夏の人気商品を引きずっている? と思ったらそうではありません。ちゃんと9月10月の商品です。
真夏には、よりさっぱりしたマンゴーのケーキを作っているそうです。
私たちが昨夏にお邪魔した時に“マンゴーって夏じゃなくても美味しいんじゃないですか”と何気なく言った言葉をヒントに、秋バージョンのマンゴームースを開発したとのこと。わっ嬉しいですね。
ダックワーズ系の底生地、パータボンブベースのマンゴーのムース、中央にシャンティ、表面がマンゴーのジュレ。
トップに、パイナップルのヴァニラコンポートとパッションのコンフィチュール。
底に、ココナッツファインを軽く焼いたものを貼付け。
トロピカルフルーツを使うと夏のイメージですが、たしかアラン・デュカスによれば、旬のフルーツが少ない冬こそが輸入食品であるトロピカルフルーツを味わう季節なのだとか。
ボンブベースにして味わいを深くし、食感もバヴァロワレベルの重さ、ネットリ感を持たせることで、トロピカルフルーツの爽やかさ、蠱惑感だけではない、芳醇さを手に入れています。
秋を感じさせるアレンジですね。
ほんの小さなきっかけに過ぎないとはいえ、新作に関われたことで喜びいっぱいです。
2014年10月4日から11月3日までの1ヵ月間、“たかつき スイーツコレクション”というイベント(主催/高槻商工会議所)が開催されています。
「UTAKO」さんも参加していて、ご紹介した『かぼちゃのチーズケーキ』が対照商品。
スイーツ店22店舗を巡るスタンプラリーに参加すると、抽選で景品が貰えるというもの。知らないお店もたくさんあって、ショップガイドのマップをじっくり見てしまいました。みなさん趣向を凝らして、秋ならではのお菓子を作っておられるようです。地域活性化の主役にケーキが躍り出ているのは嬉しいかぎり。
お出掛けするには絶好の季節になりました、さぁ美味しいケーキ狩りへ いざ。
●『モンブラン』420円 『かぼちゃのチーズケーキ』330円 『エキゾチック』410円 (※内税)
●「パティシエールUTAKO(ウタコ)」
大阪府高槻市富田丘町13-18 TEL072-601-6175 定休日/火曜 営業時間/11:00~20:00
オープン3年半にして、ますます佳境に入ってきている印象を受けました。
●『モンブラン』 径7.5cm 高さ5.8cmほど。

こちらには、本日ご紹介する『ビスキュイモンブラン』のほかに、もう一つ、『メレンゲモンブラン』があります。
『メレンゲモンブラン』は、湿気るのが嫌で、オーダーが通ってから組み立てられ、2時間以内に食べるようにと念を押されます。しかも、中塚さんが手隙のときにしか対応してもらえません。
そんなことから、“幻のモンブラン”と呼ばれているとか。私たちもまだ目にしていません。
ということで、『ビスキュイモンブラン』。
昔懐かしい黄色いモンブランのように、生地にビスキュイが使われています。2枚のビスキュイの間に、生クリームで少し伸ばしたマロンペースト。
中に、手剥きした自家製の和栗のシロップ煮のダイスがたっぷり。ラム酒の香りが利いていますね。
ほとんどの場合、シロップ煮や渋皮煮がホールで入っていますよね。
でもシェフは、中心に到達するまで栗に出会わないのは寂しい、待ちきれないという思いでダイスにして、全面に栗の満足感を広めようとしているのです。
たしか前にも『クグロフ マロン』で同じようなことをおっしゃっていましたけっね。一口目から、たいやきの尾っぽにも餡があっていいじゃないの、というタイプ。
ふむ、たしかにどこを食べても栗! 栗! いやあ、いいですねぇ。
上を覆っている生クリームは無糖、全体を覆うモンブランクリームはフランス産と和栗のペーストをシャンティで口溶け軽く伸ばしたもの。
中心のマロンペーストに焦点が当たるように味わいは淡く抑えられ、口に入れた瞬間の軽さを強調。
その後に押し寄せてくるラム酒の香り、栗の満足感にノックアウトされる仕掛けになっています。
モンブランらしいモンブラン、王道の味ですね。
とはいえ、カリッサクッのメレンゲの食感を活かした“まぼろし”の方も、和栗100%というだけに心が揺れますねぇ。
●『かぼちゃのチーズケーキ』 辺6.5cm 高さ7.7cmほど。

鹿児島で暮らすご両親が無農薬で丹精込めて作った“栗カボチャ”を使ったチーズケーキ。
底生地はジェノワーズ、アパレイユに使われるチーズはフィラデルフィア(クリームチーズはいろいろ試した結果、酸味や塩気、風味に求めるものがあり、けっきょく最初に戻ったとか)。
基本中の基本ともいえる構成ですね。
焼き色がつかないように湯煎にしてフタをして焼き上げた後、黍糖で表面を軽くカラメリゼ。
チーズケーキの場合、カボチャのペーストをアパレイユに混ぜて焼き上げるものが多いようですが、あえて角切りの蒸しカボチャを何も味付けせずにコロコロと加えています。
おかげでカボチャの味わい、存在感がくっきりと表へ出てきています。カボチャそのもののじんわりとした甘みとホクホク感は、大人しい味なのに人を惹き付ける力がありますね。
とはいえ、激しい主張ではありません。優しく、穏やか。
チーズ風味のカボチャケーキという趣き、と云えば近いでしょうか。
購入したカット売り以外に、径11cmのミニホールもあります。季節柄、手作りのハロウィンクッキーでデコレーションされていて、ふふっ可愛いですよ。
●『エキゾチック』 径7cm 高さ5.3cmほど。

新顔、マンゴー主体のムース。
秋なのに、夏の人気商品を引きずっている? と思ったらそうではありません。ちゃんと9月10月の商品です。
真夏には、よりさっぱりしたマンゴーのケーキを作っているそうです。
私たちが昨夏にお邪魔した時に“マンゴーって夏じゃなくても美味しいんじゃないですか”と何気なく言った言葉をヒントに、秋バージョンのマンゴームースを開発したとのこと。わっ嬉しいですね。
ダックワーズ系の底生地、パータボンブベースのマンゴーのムース、中央にシャンティ、表面がマンゴーのジュレ。
トップに、パイナップルのヴァニラコンポートとパッションのコンフィチュール。
底に、ココナッツファインを軽く焼いたものを貼付け。
トロピカルフルーツを使うと夏のイメージですが、たしかアラン・デュカスによれば、旬のフルーツが少ない冬こそが輸入食品であるトロピカルフルーツを味わう季節なのだとか。
ボンブベースにして味わいを深くし、食感もバヴァロワレベルの重さ、ネットリ感を持たせることで、トロピカルフルーツの爽やかさ、蠱惑感だけではない、芳醇さを手に入れています。
秋を感じさせるアレンジですね。
ほんの小さなきっかけに過ぎないとはいえ、新作に関われたことで喜びいっぱいです。
2014年10月4日から11月3日までの1ヵ月間、“たかつき スイーツコレクション”というイベント(主催/高槻商工会議所)が開催されています。
「UTAKO」さんも参加していて、ご紹介した『かぼちゃのチーズケーキ』が対照商品。
スイーツ店22店舗を巡るスタンプラリーに参加すると、抽選で景品が貰えるというもの。知らないお店もたくさんあって、ショップガイドのマップをじっくり見てしまいました。みなさん趣向を凝らして、秋ならではのお菓子を作っておられるようです。地域活性化の主役にケーキが躍り出ているのは嬉しいかぎり。
お出掛けするには絶好の季節になりました、さぁ美味しいケーキ狩りへ いざ。
●『モンブラン』420円 『かぼちゃのチーズケーキ』330円 『エキゾチック』410円 (※内税)
●「パティシエールUTAKO(ウタコ)」
大阪府高槻市富田丘町13-18 TEL072-601-6175 定休日/火曜 営業時間/11:00~20:00