アルチザナル(4) 『シュトーレン』

京都、河原町今出川の交差点を西へ、寺町の少し手前にあるのが「ブーランジュリー アルチザナル」さん。
デニッシュ系のおやつパンにしても総菜パンにしても、キラリとセンスの光るお店です。美味しさのツボをよく心得ている上に、品の良さがあって、この近くまで来るとつい寄らずにいられません。
本日は、今年2本目の『シュトーレン』です。
なお、パッケージは普通の紙袋です。パティスリーのようなきらびやかなものではありません。Joyeux Noel の小さなスタンプが控えめに押印されています。水口さん夫妻らしいなと思いました。


●『シュトーレン』  12.5×7cm 高さ4.7cm 300gほど。
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昨年60本作ったら、あっという間に完売したので今年は150本くらい焼く予定という、強気をもたらした成功作。

シュトーレンらしさにこだわらず、食べて美味しいものを目指して作っているそうです。

その一番のアイデアは、香り。つきもののエピスをやめ、ヴァニラの香りをメインに。
フルーツもマンゴー、パパイア、パイナップルというトロピカルフルーツに加え、クランベリー。
定番のレーズンはカリフォルニア、サルタナ、カレンズ、グリーン少々。これらをブランデーとラム酒に漬けて1ヵ月。アーモンドはカリコリ感を残すために前日に漬ける程度。

具沢山と言えるほどびっしりのフルーツ類ですが、オレンジやレモンのピールは入りません。
生地はイーストで醗酵させていますが、しっかり焼き込んで香りは飛ばしています。
溶かしバターを塗り、グラニュー糖をまぶして粉糖で仕上げ。

画像結果として、軽やかで素直に美味しい、ちょっと食感が重いフルーツケーキが誕生したといったところ。
伝統のエピスを使わないことで、宗教行事から離れた、純粋にお菓子としての美味しさが追求されていると云えるでしょう。

こういう美味しさを作り出してくれると、愛好者の幅がグッと広がるでしょうね。
それが昨年の反応の速さだったのでしょう。

ヴァニラの香りがメインというのが、親しみやすいし、トロピカルフルーツの魅力もあって、特別の位置を獲得したシュトーレンだと思います。



パン屋さんの場合、醗酵させるのがパン屋らしい仕事とばかり、シュトーレンもよく醗酵した軽いものが多いのですが、こちらは醗酵を抑制して、どっしりとした食感で迫っています。この辺りの発想も柔軟ですね。



●『シュトーレン』1600円(5.33円/g)  (※内税)

●「アルチザナル」
  京都市上京区今出川通寺町東入一真町89   TEL075-744-1839  定休日/水曜・木曜  営業時間/8:00~19:00