エルベラン(7) 『エクレール モカドール』(試作)→『エクレール カフェルージュ』(完成)

ケーキの街、兵庫県西宮市。その中でも古株でケーキ界を牽引しつづけている「エルベラン」さん。二代目の衛二さんも面倒見のいい兄貴分を引き受けて頑張っています。
忙しい中、腰を据えた商品開発が際立っています。こちらの開発は基本、ロングセラーを送り出すためのものですが、時に「あっ 思い付いた!」というものもあるようです。今回はそんな一品をご紹介しましょう。


●『エクレール モカドール』(試作品)   12.8×4cm  高さ3.3cmほど。
画像
ボンボンショコラのセンターをいろいろ作っている最中、ライチとフランボワーズのガナッシュとカフェのガナッシュの味見をしていて、おっイケル。この2つの組み合わせでケーキを作ってみたくなったのだそうです。

今回はシンプルに、エクレアで。2回目の試作のものをいただきました。

エクレアの中が、カフェムースリーヌ。
豆はモカのシティロースト。ご近所の珈琲豆専門店「まめや」さんでローストしてもらったもの。粗く潰して牛乳で炊いて主に香りと色を付けています。
ほとんど苦みのない優しいカフェ。うーん、もうこれだけでメロメロ。

これに合わせているのが、シュー生地の上に絞られているピンクのガナッシュ。
ホワイトチョコは前回はイヴォアールだったのを、オパリスへ。ほかの素材を引き立てるベース素材として開発されたものだけに、ライチとフランボワーズの合体した甘く優しい香りが、澄んで感じられます。
フランボワーズもピュレからパウダーに替えたのだとか。そのためか、酸味もごくマイルド。


シェフ曰く「この組み合わせは絶対的なもの」と確信しているとのこと。
その思考方法がじつに興味深かったので、ご紹介することにしました。

コーヒーの香りの中にライチの香りがあるというのです。
コーヒーにしてもカカオにしても豆を使っているけれど、本来、その周りに果肉があり、フルーツの一種だと考えているのだそうです。だから、接点がある。
また、カカオは弱い樹で、周りにほかのフルーツを育てて守ってやる必要があるのだとか。マンゴー畑のなかのカカオはマンゴー風味を持つなど「育った環境による相性などもある」と熱く語ります。

ただ、一口にマリアージュといっても、合い過ぎると逆に分からなくなる、という性質があるそうで、何処かにピッと引っかかるものが必要なのだとか。このあたりの塩梅は難しそうですね。

ということで、かなり繊細微妙なマリアージュ。
トップの飾りの花びら一片あるかないかでも印象ががらりと変わりますし、アロマに十分神経を集中して食べるべきエクレールです。食べ手を選ぶお菓子と云えそうです。
まだまだ試作段階でしたので、本番ではご自身が納得する“最高の一点”を見極めたものが登場してくる予定です。うーん、一体どんな味わいになるのか……気になるなぁ。

おや? 商品名はモガドール Mogador (モロッコの大西洋岸の都市エッサウィラの古称/フランボワーズとチョコレートの組み合わせにつける名前)ではありません。
トップを飾っているコーヒー豆を模したチョコレートを金色でコーティングしているから。モカドール moka d'or 。



ふう、なんとか書き上げたぁ…とほっとしていたら、衛ニさんから「完成品ができましたよ」とのご連絡。
バラの花びらを止め、冷凍フランボワーズを崩したものをガナッシュの上に散らし、味のアクセントを強めたそうです。
商品名も『エクレール カフェルージュ』とフランボワーズを強調したものになりました。
もう販売をはじめているそうですよ。



●「エクレールモカドール」予価400円   (※内税)

●「ケーキとクッキー  エルベラン」
  兵庫県西宮市相生町7-12  TEL0120-440-380  定休日/火曜・水曜不定休  営業時間/8:00~18:30

※ブログ「パイ日和」では、こちらのお店の『サントノーレ』をご紹介しています。