サ・マーシュ(3) 『ジャンジャンブルショコラオランジュ』『パンデピス』

神戸、三宮から7、8分上った回教寺院近くにある「サ・マーシュ」さん。日本を代表するブーランジェの一人、西川功晃さんと奥様の文さんのお店。若いスタッフたちも明るく元気。
お客さんがパンを取るのではなく、スタッフに取ってもらって、支払いを済ませるまで、なにがしかの会話をするスタイル。もうすっかり馴染んで、楽しい空気に満たされています。各家庭のテーブルの延長になったような、リラックスした美味しい雰囲気、いいですね。
(※今回はヒアリングしておりませんので、簡単に食べた印象のみを書いています)


●『ジャンジャンブルショコラオランジュ』  径12.5cm 高さ5.5cm  280gほど。
画像
複雑な味わいのパンです。

材料表示を見ると、17品目が書き出されています。
おもにバター、ヨーグルト、卵、牛乳、蜂蜜などが入ったリッチな生地がベースとなっていて、そこにカカオバター、ココア、コーヒー、チョコチップ、オレンジピール、生姜が入っています。
メインは、商品名の生姜・チョコレート・オレンジといったところでしょう。

カットして、パクッと食べると……
あら? お菓子の甘甘~い感じではありません。

ケーキのクラシックショコラとブラウニーの中間から、少し横に外れたようなイメージ。
どっしりと重量感があります。

画像
チョコと好相性の定番のオレンジピール、意外に合う生姜が加わって、強固な三すくみの関係が出来上がっています。

メロンパンのように表面に薄くクッキー生地を載せ、白ザラメをドバッとばらまいています。
この甘みが複雑で力強い味わいの本体を、シャリシャリという音を鳴らしながら、親しみやすい表情に変えているのです。

複雑な構成をまとめあげる手腕はさすがですね。


画像

そうそう、きれいにパッケージされていて、「Ca Marche」の赤いシール付き。
今度、手土産に持って行こうっと。









●『パンデピス』   幅9cm 高さ8.5cm 厚み1.5cm 90gほど。
画像
あまりにも突き抜けているパンデピスなので、2回目の紹介となります。

フランスの古い時代から伝わるお菓子。蜂蜜とエピスが入るのが決まり事。

ドライフルーツミックスやクルミがふんだんに入っています。フルーツを戻すためのラム酒も香っています。

日本では、パンデピスも一般化するにつれ、香りがほのかになっていく傾向がありますが、こちらはまったく遠慮がありません。プンプン香って薬臭いレベル。

カトルエピスと呼ばれるものはシナモン、ナツメグ、ジンジャー、クローヴといった組み合わせが一般的と言われますが、なかでもナツメグが突出しタイムも加わっているのではないかと睨んでいます。
蜂蜜も濃厚な味と香り、ねっとり感を与えています。力強い蜂蜜ですね。

フーム、強烈! 3時の和やかなおやつにはちょっとご遠慮申し上げたい。
でも!! フレンチのコースを食べ終わり、少々きこし召した後にこれを食べれば、“ブラーヴォ!!”てことになるでしょう。
フレンチ馴れしたフレンチフリークのためのパンデピスではないでしょうか。お見事です。 




パン屋さんのお菓子って、パティスリーの廉価版と思い込みがちですが、全然違いますね。今回はっきり認識いたしました。
ただ醗酵の香りがあるだけじゃない。誤解を恐れずに云えば、パティスリーが重ねる発想だとすると、パン屋さんは包むあるいは混ぜる発想と云えるでしょう。楽しみ方の使い分けが少し上手くなれるかな。



●『ジャンジャンブルショコラオランジュ』 『パンデピス』    (価格不明)

●「パンと暮らしの サ・マーシュ」
  神戸市中央区山本通3-1-3  TEL078-763-1111  定休日/火曜・水曜  営業時間/8:00~19:00

※ブログ「パイ日和」では、こちらのお店の新作パイをご紹介しています。