フロインドリーブ(2) 『シトーレン』

師走。また1年が一巡り、シュトーレンの季節がやってまいりました。
画像
私たちが食べ始めた30年ほど以前には、ほとんど何処にも置いていなかったものです。ドイツ菓子屋さんがほとんど。最近ではフランス菓子のお店でもかなり目にするようになりました。隔世の感がありますね。
アレンジものも好きですが、オリジナルのシュトーレンが忘れられようとしているようにも思います。

そこで今年最初に食べるのは、「フロインドリーブ」の『シトーレン』。
これこそが私たちが昔から食べているものであり、本場ドイツはザクセンスタイルのシュトーレン。
久しぶりにじっくり味わってみました。





●『シトーレン』  500g 20×8cm 高さ5cmほど。
画像
パッケージ、なんて素敵なのでしょう。
もともと、素晴らしいデザインセンスのお店なのですが、シンプルの極み、です。
白と、ほんの少しの金。紙に寄せられた細かな皺(しぼ)、じつに品がいいですね。

そっと、取り出して手に持つと、ほぅどっしり重いし、固いですねぇ。
ふむふむこの手応え。これです、これ!

封を開けた時の、このなんともいえない豊かな香り。
ブログ開始する以前に食べていた頃の思い出が一気に蘇ります。
うんうん、懐かしいなぁ~うん。



画像煉瓦窯で2時間かけて焼き上げているそうです。
小麦粉、イースト、レーズン、牛乳、アーモンド、チェリー&オレンジピール(いずれも砂糖漬け)、クルミといったところはほぼ定番と云えるでしょう。
最近のものと違うのが、油脂。
無塩バターより有塩バター(たしか、阿蘇の孔乳舎のもの。美味しいんだな)が多く使われ、さらにラードも加わります。塩気もあってややくどく感じられるのですが、これがクセになるのです。
そして、醗酵しているのにまったくふくらみのない、ぎっしりと目の詰まったハードさ。
まさに、この感触。薄く1cm以内の幅でスライスして、ちびりちびり。

クリスマスまでの日にちを計算しながら、熱い紅茶をお供に、幸せを感じるひとときです。1日1日熟成して深まるのも、大きな楽しみ。


画像固くしまって、口に入れるとモロモロッと崩れるのです。が、同時にしっとりとした優しさも感じます。
バターの旨味、粉糖の優しい甘さの次ぎに来るのが、レーズンの強い甘み。牛乳の風味が感じられる生地の大らかな旨味が全体を包み込んでゆきます。
アーモンドやクルミ、オレンジピールなどの風味や食感がチラリチラリと気を惹き、一切れ食べ終えるまでに楽しい体験が詰まっていて … 飽きさせませんね。

バター、ラードの濃厚さに、レーズンの甘さ。しつこく感じるほどの強い個性を支えるのは、生地の力強い旨味。このバランスこそが『シトーレン』のベースであり、シュトーレンという一般化したイメージの基盤にも据えられるべきものだと思います。

つい、もう一切れと手が伸びそうになるのですが、そこで我慢するのが、翌日また新鮮な気持ちで美味しく食べる秘訣かな。


画像
そうそう、500g表示の商品なのに590gだったんですよ! 
豪気さが嬉しいですね。
500gから500g刻みに、5種類 。2.5kg(9720円)まで品揃えがある豊富さにも驚かされます。壮観です。
2kg、2.5kgは3日以上前からの予約制。この大きなサイズになると本当の赤ちゃんみたいですね。


生まれたばかりのキリストのお包み姿を模しているといわれる“クリスト シュトーレン”。いわば聖体をいただくのですから、むやみにバクバク食べるものでないのは当然ですね。
そのような食習慣に見合った作られ方、というものがある、そのことを強く実感しました。



●『シトーレン』1944円    (※内税)   
                     3.29円/g (590g計算)   ※500gの場合 3.88円/g 

●「フロインドリーブ 本店」
  神戸市中央区生田町4-6-15  TEL078-231-6051   定休日/水曜    営業時間/10:00~19:00