ジョバンニカンパネルラ パリ(2) 『焼菓子3種/サブレ、カシスピューレのメレンゲ、石だたみ』

兵庫県芦屋市、阪神電鉄・香櫨園駅と打出駅の中間、線路から少し南に位置するところに「ジョバンニカンパネルラ パリ」さんがあります。アップルパイ専門店ですが、焼菓子もとても魅力的です。


●『ココナッツとバニラのサブレ』   径4.2cm 厚み1cmほど。
画像
じつは昨年食べた時に書き溜めていた原稿で、現在は残念ながら販売していません。
でも、素晴らしく美味しくどうしてもご紹介したいお菓子なので、悪しからず。

フランス菓子でいうところの“ディヤマン ノワ ド ココ”というもの。
けっこう色が付くところまで焼くのが多く、ココナッツを焦がした芳ばしさを楽しむクッキー、と云えるでしょうか。

ん、んん? 写真を見てください。
おやおや、ほとんど焼き色を付けていません。生地の卵とバターの黄色い色がそのまま残っています。繊細さを競う方向で焼いたヴァニラキップフェルンを思わせるところがありますね。

熊元シェフは「ココナッツをミルクっぽい香りのままで残したい」と言っています。
うんうん、その言葉通り、ヴァニラの甘い香り、バターのミルクっぽい香りと合わさり、夢見るように甘い香り。
嗚呼、じつに美味しいなぁ。はぁ。

周囲に貼付けたザラメのおかげで、ザクザクとした強い食感がありますが、本体のサブレはサックリと解ける繊細さ。バターと卵の味わいで、粉の旨味もたっぷり。焼き込まずに粉が美味しく味わえるというのは、さすがです。
とくにアピールはしていませんが、きっと上質の粉を使っているのでしょう。ヴァニラとココナッツに頼るのではなく、ベースのサブレ自体がよく出来ています。お見事ですね。

この繊細な味わい、じつに微妙な調整で完成します。ほんの数秒の狂いで狙いとは違ったものに。
焼成中に、お客さんが来ると……! というハラハラする場面もあるのだとか。



●『カシスピューレのメレンゲ』  径3.1cm 高さ1.8cmほど。
画像
シェフのご自慢のメレンゲ。
「果実の塊。カシス、どストライクです」とのこと。

フレンチメレンゲの量を極限まで減らしたというか、ピューレをたっぷり保形性の限界まで入れたというのか。
ほぼピューレ。もちろん、色粉なし、フレイバーなし。

口にポイと入れると、サクッとした刹那、シュワー。メレンゲの繊細な泡が潰れる感触が広がるとともに、カシスの甘酸っぱさが口一杯に。

可憐で、色鮮やか。季節によっては、赤桃、パッションフルーツ、ジンジャーパイナップル、フランボワーズなど、多彩な展開も。



●『石だたみ』  4.3×4cm 厚み0.5cmほど。
画像
少し厚め、堅焼きのアーモンドチュイル。
厚めなので食感はカリカリ、チャリチャリよりもう少し力強く、ザクサクしています。

どこか、“堅焼きアーモンド煎餅”風。
ザクッと砕けると同時にアーモンドの香りも弾けます。

焼き込みの浅い色白の外観からも分かるように、淡い香りと甘味。卵や砂糖の穏やかな持ち味を、そっと慈しむように繊細な火で丁寧に水分を飛ばしたのでしょうね。強い食感とは逆に、柔和な世界を繰り広げています。

小春日和の午后、紅茶を淹れて一片口に含むような、落ち着いた時間を過ごしたいものですね。



●『ココナッツとバニラのサブレ(5個入り)』350円   『カシスピューレのメレンゲ(12個入)』280円  『石だたみ(4枚入)』290円  (※外税)

●「ジョバンニカンパネルラ パリ」
  兵庫県芦屋市大東町11-20  TEL0797-75-8741  定休日/月曜・第1火曜  営業時間/10:00~売り切れまで

  ※ブログ「パイ日和」では、こちらの『タルトタタン』をご紹介しています。