新店! マモン エ フィーユ(1) 『キャロットケーキ』『マロングラッセのケーキ』『ブランデーケーキ

神戸市東灘区、阪急神戸線・御影駅から南西に10分近くのところに2017年7月12日にオープンしたのが「マモン エ フィーユ」さん。以前は京都の一乗寺で週1回日曜日に、焼肉屋さんの店先を借りて営業。変則的なスタイルですが、評判が評判を呼び、通販でかなりの人気を集めていたようです。このほどついに念願の実店舗を構えました。

たまたまこの日は百貨店のイベントがあり、オーナーシェフ母子は不在。製造スタッフのホリイさんが親切に教えてくれたところでは、お母様がお菓子好きでずっとおやつにお菓子を焼きつづけてきたそうです。娘さんがそれを受け継ぎつつ、パリのお菓子教室で身に付けたことをプラスして、まさに母子の「マモン エ フィーユ(Maman et Fille)」のお菓子。
一からのオープンではなく、実績を重ねてのスタートなので、すでにギフト用の可愛い缶や化粧箱が用意されていて、品良く高級感を漂わせていました。
すでにメディアにひっぱりだこの大人気店です。私たちは京都の頃から実力を認めていた「ムーラタルト」の吉野シェフからの推薦で行ってみました。


●『キャロットケーキ』  5.3×6cm 高さ7.7cmほど。
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おっ、スタイリッシュな人参ケーキ。

手作りの素朴さのイメージの強いキャロットケーキですが、きっちりスクエアな形に仕上げています。
トップもよくあるフロスティングではなく、やや濃厚なチーズクリーム。
ニンジンのすり下しとクルミのダイスが入り、香りはシナモンとナツメグ。クリームはクリームチーズと生クリーム、醗酵バター。

スパイスの香りは優しく香る程度ですが、ベースとなって味わいを方向付けている感が。ニンジンもちゃんと香っているのが、素材感があっていいですね。
全体にザワザワとした食感のところに、クルミが時折シャクッとアクセントを与え、チーズクリームが滑らかに覆い尽くします。

普通、比較的味の弱いケーキ部分にフロスティングの夢見るような優しい甘さが染み通ることで、味わいが完成するのですが、こちらの場合、ケーキそのものが十分に美味しいところへ、より上の完成を目指すようにクリームが攻めてくるといった味わい。力強いケーキです。

生地とクリームの組合せというシンプルな構成のケーキですが、こういう方法があったのか、ちょっとした新しさ、面白さを感じます。



●『マロングラッセのケーク』  7.5×2.5cm 高さ4.2cm 70gほど。
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京都の時から作っておられたお菓子なのだとか。

マロングラッセもマロンペーストもサバトンのものを使っているそうです。

シュガーバッター法でパウンドケーキを作る要領の途中でマロンペーストを加え、型に流し込み、マロングラッセのダイスをチラチラと埋め込んでいます。香り付けに使っているのはマロンリキュール。
焼き上がりにアイシングをやや厚めに、乾燥焼して泣かないようにしているのかな。

アイシングのシャリッとした食感の次の刹那、もうトローリと溶け出すような滑らかな生地が待ち受けています。全面を覆ったアイシングが強いだけに、この落差は嬉しい。

マロンの風味そのものより、食感に強く惹かれました。どこかマロンスープを思わせるところがありますね。




●『ブランデーケーキ』  5.5×7cm 厚み1.8cm 50gほど。
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ケーキ生地はものによって、シュガーバッター法とフラワーバッター法を使い分けていて、『ブランデーケーキ』は後者。最後に溶かしバターを入れるパターン。

何より驚くのは、アルマニャック(ブランデー)シロップをアンビベしたところが分厚く色が変わっていること。びっしょり。うーむ、アンビベレベルじゃないかな? 

封を開けた途端、アルコール感目一杯に迫ってきます。ふぅぅ!
それがおいしいのです。たまらんなぁ、こちとらめっぽう酒好きなもので。

これも生地にしっかりした旨味があるからでしょうね。
バターの香りがたっぷり味わえ、アンビベにめげないテクスチャーの力強さもあり、うんうん、この思い切りはいいですね。お見事です。



オーナー母子は不在で、より以上に詳しいことは聞けませんでした。1点1点に強い思い入れがありそうですが、次回以降のお楽しみに取っておきましょう。



●『キャロットケーキ』500円  『マロングラッセのケーキ』500円  『ブランデーケーキ』350円  (※外税)

●「マモン エ フィーユ」
  神戸市東灘区御影2-34-20  TEL078-414-7842  定休日/火曜  営業時間/11:00~19:00