しろたえ(1) 『レアチーズケーキ』『フランボワーズ』

東京・赤坂の老舗、1976年創業の「西洋菓子しろたえ赤坂」さん。真っ白な姿にピスタチオの緑が冴えた『レアチーズケーキ』がつとに有名なお店です。関西人でも見覚えがあるのではないでしょうか。
じつは『シュークリーム』のファンも多いということは知っていたのですが、残念ながら売切れ。やはり人気なのですね。とはいえ、残り物に福有りと云いますから期待していただきましょう。


●『レアチーズケーキ』  2.5×6.5cm 高さ3.7cmほど。
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大きくないということは聞き知っていたのですが、じっさい目の前に運ばれて来てみると、「ほう! 小さいね」と声が出てしまいました。
体積的には通常サイズの半分程度でしょうか。

でもチビだといって見くびってはいけません。力があるのです。

底生地はバターの香りが豊かなシュクレ、サクサクです。
アパレイユはクリームチーズ数種を温度湿度を勘案しながらその都度ブレンドして使っていると書かれているのを見たことがあります。表面はシャンティ(お酒でかすかに風味付けされているとか)。

口へ運ぶと…… うぅ~ん、濃厚なチーズ感! 圧倒されます。
ねっとりしながらも口溶けが良くて、後口がきれい。いいなぁ美味しいなぁ。

レモン果汁の強い酸味とともに、メレンゲや生クリームを加えずに、これだけのなめらかさを手に入れているのも驚き。根気よく撹拌することで空気を含ませているのでしょうね。素晴らしい食感、衝撃的な味わい。
40年前からこの味わいがあったとは! 敬服に値しますね。



●『フランボワーズ』  径5cm 高さ4.3cmほど。
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この楚々とした姿、たしか「ルコント」さんでも見掛けたような。

フランボワーズ風味のバタークリームとフランボワーズシロップを打ったスポンジ、中にチェリーの果肉が潜んでいます。
トップにはフランボワーズのピュレ。周りはケーキクラム。

ピュレの酸味がキリッと利いて、バタークリームのなめらかな口溶けとともに口一杯にフランボワーズの風味が広がります。
チェリーも赤い実で風味が似通っていますから、フランボワーズが何層にも渡って刺激を与えてくれるので、一つひとつはマイルドで繊細なのですが、積み重ねでしっかりした満足感にいたるのです。

これもシンプルだけど見事なケーキです。



完成度が高く、他のお菓子も食べたくなります。メニュー表は手書きで、その可愛さにじっと眺めてしまいました。
おや? ほとんどのケーキが390円(内税)、一番高かったのが『タルトタタン』で430円。名物の『レアチーズ』にいたっては、なんと260円! うーむ…。
床やテーブルなどダークアンバーに統一されたシックな店内も名店にふさわしい落ち着きです。担当してくれた接客スタッフ(レースの三角巾をしていてゆかしいですね。そういえばお店のシンボルイラストは三角巾の優し気な女性です)は控えめだけど気働きの出来る女性でとても感じが良く、お店のイメージをよくしてくれました。

訪れた日は若い女性が多かったのですが、ご年配の一人客が慣れた風で(といっても常連気取りではありません)注文をされているのを見ると、最近の俄かファンではなく若い頃から親しんでこられたのがよく分かります。歳を重ねながら、何十年も通えるお店があるのは素敵なことですね。
翻って、私にも20代の頃、職場の近くにそういう大切なお店(ケーキ+喫茶)がありました。が、閉店してしまって哀しい想いをしたものです。お店がずっと続いていく、というのはとても大変で稀有なことだと、今更ながら改めて感じた次第です。



●『レアチーズケーキ』260円  『フランボワーズ』350円 (※内税)

●「西洋菓子しろたえ赤坂」
  東京都港区赤坂4-1-4  TEL03-3586-9039  定休日/日曜  営業時間/10:30~20:30