SAKURAGUMI(1) 『昼のお任せコース』(ナポリのピッツァ&料理)

ゴールデンウィークにちょっとした取り込みがあり、思うように遊べなかったので時期をずらしてのお楽しみとなりました。
ずっと以前から兵庫県赤穂市の「SAKURAGUMI」は気になっていて、お弟子さんが開いた明石の「チーロ」には食べに行ったことがあります。いかんせん赤穂は姫路から支線になって交通の便がもう一つ。ということで、行こうと思い立ってから何年ぶりの実現でしょうか。決断を祝福するように2、3日前の予報と打って変わっての、快晴。やったー!
こんなことはめったにないのだけど、遠足の日の子供のように早起き、出掛ける時間も待ちきれずに前倒し。おかげで三宮から新快速に乗るのにたっぷり時間待ち。先頭に並んで2人掛けシートも取れてやれやれ。いつもは車内は大切な読書タイムだけど、本は鞄の中へ。景色を眺めながら旅気分で退屈しません。山陽本線は新幹線より海の側を通るので明石海峡大橋が間近に見えていいですね。姫路駅に着くと、乗客がぞろぞろと降り、車両には私たち二人っきり。
窓の外を走り去って行く地名も、高砂、姫路、竜野、室津、相生など、古典や歴史の教科書にでてきたものが多く、初めてなのに懐かしく感じます。ローカル線の良さを堪能しました。

赤穂の駅に降り立って、まず観光案内所でバスの確認。かんぽの宿行で、御崎(みさき)下車。所要時間20分余り。どれくらい掛かるのか分からなかったので11:30の予約を諦めて、1:00の予約(ランチは2回制)にしていたけれど、これなら5分遅れくらいで滑り込めたかも。でも、約束に遅れるのは嫌いな質なので、景色でも見てゆっくり時間をつぶしますか。
赤穂城址の前なども通って、けっこうあっちへ曲がり、こっちへ曲がりとまっすぐには進まないバスです。だんだん市街地をはなれて行く感じになり、田舎っぽくなったところで御崎到着。通り抜けるべき神社の石の柵が見えています。神社に入って見ると、これが、わぁ~! 素晴しいっ!! 思わず二人揃って歓声。
とても素通りは出来ません。普段、犬の散歩で夙川の堤を上流から西宮浜まで歩くことがあるのですが、そのときに目の前に広がる浜はやはり都会の海。それも悪くはないのですが、全然、違うのです。
絶好の青空の下、穏やかな海が広がり、爽やかな海風、は~っ。家島諸島でしょうか島影も美しく点在しています。崖の上に建てられた鳥居も絵になりますね。神社は歴史が古く延喜式に記載されているという由緒ある伊和都比売神社。すっかり見蕩れてしまいました。時間に余裕があればこそ。

画像満ち足りた気分で階段を下りて行くと、左手に海を真ん前にして「SAKURAGUMI」さんがありました。お店の前の海辺も良さそうですが、ゴールデンウィーク後の平日とあってずいぶんと空いています。予約時間に関係なく入れそうな気もして訊ねることに。時間に合わせて準備しているので20分くらい前ならご案内できますが、とのこと。小一時間散歩をしようということになりました。
海岸縁にずっと遊歩道がつづいていて、とてもいい雰囲気。心が開放されますね。
途中、畳岩という地層がそのままむき出しになった岩などもあって瀬戸内海国立公園ならではの景色も。小さな砂浜があり、海の家のような施設が何軒か並んでいる前で腰を下ろして波を眺めて過ごしました。白波の高さ10cm程度と規模はミニマルながら、サーフィンのパイプラインのようなものが出来て、波頭が次々に崩れつつ押し寄せてくる様はけっこう惹き付けられるものでした。
しっかり陽を浴び、磯の香りを満喫して、お腹ぺこぺこ喉からから~で、いざランチへ。


●『昼のお任せコース』

★『アンティパストミスト』(バーニャカウダ・スフォルマータ・牛肉のスープ・白身魚のサラダ・自家製ハムとロシア風サラダのブルスケッタ)
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盛りつけが賑やかさに溢れていますね。

『バーニャカウダ』、カキのペーストが入っていて深い味わい。新鮮な生野菜いろいろ。
『スフォルマータ』、春キャベツの茶碗蒸し風。
『牛肉のスープ』、とくに可もなく不可もなし。
『白身魚のサラダ』は檸檬の利いたドレッシングでセビッチェ風。バジルとケーパー、玉ネギも仕事しているし、細かくちぎったパンも不思議な相性で興を添えています。
『ブルスケッタ』は自家製のハムが上出来で満足感がありますが、パンが堅くてやや食べにくかったかな。


★『ピッツァ』ハーフ&ハーフ(マルゲリータ&自家製サルシッチャとほうれん草)/シェア
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ナポリ風を唱っているお店のピッツアはもっと分厚かったりしますが、ピッツァイヨーロさんによれば(テーブルから見えるところで窯焼きをしていて、食事しながら聞いてみました)、「ナポリでも様々で、こちらの生地はごく標準的じゃないかな」とのこと。

マルゲリータの安定した美味しさもさることながら、自家製サルシッチャ(ソーセージ)も、ほうれん草、リコッタチーズが隣り合っているだけのような調理なのに意外なくらい一体感がありますね。
うーん、さすがお見事。



★『パスタ』ズッキーニを使ったキターラ
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キターラとはギターの弦のようなもので生地を切ったパスタのこと。
だけど断面が楕円なのはなぜ? 理由はわからないまま。

まァそんな疑問はさておき、ズッキーニのペーストとブイヨン、パルミジャーノの混ざりあったソースの旨味は上出来。
セコンドピアットが2つでもペロッと入る美味しさです。





★『メイン』チヌのピッツァ釜焼き、レモンソース/シェア
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ナポリ風海鮮料理でピッツァ釜焼きとくれば、俄然期待が高まりますよね。
だけど残念なことに、魚料理に関しては日本食に旗が上がるようです。皮や開いた面の骨の外側など、魚好きがもっとも好む部分が、食べることを想定していない塩の振り方になっています。塩辛くて食べられませんでした。クボタは、魚料理はいつもきれいに平らげるので、かなり残念がっていました。
中の白身は塩気もちょうど良く、レモン風味もあっていて美味しく食べられはするのですが。それでもチヌの最高のしっとりふっくら感ではなかったかな。

もうひとつのメインは、『ポーク料理』のようで、隣席の人のが目に入ったのですが、た~っぷりの量で、そっちにすべきだったかも、あーん。
なのに、隣の若いカップルはその豚料理もほとんど手をつけていなくて、最後のデザートさえもしっかり残しているし…少食すぎる若人に、驚く私たちなのでした。


★『ドルチェ』ババとミルクソフトクリーム&パネトーネのタルト
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ババはナポリ生まれのドルチェとして有名ですが、ある説によると、元はフランス育ちなのだとか。そう、サヴァランですね。ナポリには1800年代に伝えられたそうです。

ババといえば、甘ったるいくらいに濃厚なラムシロップでビショビショというのが普通ですが、車で来る人が多いのを考慮してか、アルコール感なし。その代わりたっぷりのソフトクリームと苺が添えられています。

ブリオッシュ的な生地が良く出来ていて、すいっすいっと手が止まりません。




画像あまり具材の入っていないパネトーネの生地(オレンジピールとアーモンドダイス入り)をタルト型で焼いています。
オレンジのソースで食べる趣向です。

これも美味しいには違いないのですが、ババと生地が似ているのでやや変化に乏しいかな。
同じタルトなら、クロスタータの方が目先が変わるのにな、というところ。







★『飲み物』紅茶(アールグレイ/ミルク)&エスプレッソ画像

最後までサービスのテンポが良く快適に食べられ、窓際の席だったので、飲み物片手にゆっくり景色を眺めながら、おしゃべり。





以上が、お昼のお任せコースでした。




●食前酒/地ビール『御崎ビール』&『自家製ジンジャーエール』
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ビールは何種類かありましたが、これが一番人気だそうです。
カスケードホップというのを使っているらしく、爽やかなハーブの香りがし、フルーティーで軽やかなのに、コクもあり。

ジンジャーエールは生姜のほかに、キビ糖とレモン、スパイスが加わっています。
キリッとした味わいで食事の邪魔にならないいい飲み物です。





●ワイン/『ロッソディモンタルチーノ 2016』画像
ややタンニンが荒めですが、重量感があって楽しめます。
最後まで一口目の新鮮な感覚を保つ点で、優良なワインと言えそうです。








この多彩な料理、品数とヴォリュームで@3990円は安いですね。繊細さを追い求めるような神経質な料理ではなく、大らかな味わい。景色を味わいながら寛いで食べるのにふさわしい内容でした。もうすでにまた行きたくなっています。



●『昼のお任せコース』3990円×2 「御崎ビール」570円  「自家製ジンジャーエール」600円  「ロッソディモンタルチーノ2016」5660円    合計14810円

●「真のナポリピッツア 海鮮ナポリ料理 SAKURAGUMI」
  兵庫県赤穂市御崎2-1  TEL0791-42-3545  定休日/火曜・第3月、水曜休  営業時間/11:30~15:30 18:00~21:00

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