新店2019年3月オープン! ケークスカイウォーカー(1)『焼菓子8種/フィナンシェ フィナンシェピスターシュ マドレーヌ サブレヴァニーユ サブレココ サブレショコラ ケックオキャラメル ケックオショコラ』

神戸、三宮。鯉川筋を上がって中山手通を過ぎると道が細くなります。どこか庶民的で地元の人に愛されている細道。その道の左側に2019年3月12日にオープンしたのが「ケークスカイウォーカー(Cake Sky Walker)」さん。レジ周りにルークスカイウォーカーの小さな写真がこっそり置かれていますから、店名の由来はもうお分かりですね。

この日は歩いて5分もかからないところにある「アノニム」さんで食事をする予定だったので、その前にどんなお店だか見ておこうというくらいのつもりで立ち寄ったのでした。
ところが、シェフと少しお話をするうちに、「ずっと以前、お目に掛かったことがあります。ブログやってらっしゃいますよね」と言うではありませんか。
? きょとん顔の私たち…。なんとなんと、すでに閉店しましたがオープン時注目を集めた「ボンヌーベルラガトー」(神戸灘区)の立ち上げシェフを務めた田中隆亮さん(43歳)だというではないですか。お見それしました。ほぼ13年前の話です。こちらが思い出せなかったというのに、こんな地味な私たちをよくぞ覚えていてくださいました。感謝。
ということで、話しが盛り上がったのでした。田中シェフの全貌を伝えるには生ケーキ(通常10~12種)をしっかりご紹介すべきところですが、今回は後の予定があったので持ち帰り可能な焼菓子、全8種となりました。

●『フィナンシェ』  7.8×3.7cm 厚み1.2cm 30gほど。
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すっとスマート、鋭角なラインのフィナンシェ。美しい姿です。
そっと口へ運ぶと、ジュワッ! バターが溢れ出る感じ、美味しいっ。

焦がしバターは焦がしておいて最後に濾すパターン。アーモンドプードルも香っていますが、ブールノワゼットの香りがぐんと広がって行きます。
しっとりとした食感。レンゲ蜂蜜を少し入れているそうです。以前は転化糖類でしっとり感を出していたこともあったそうですが、匂いが気になって蜂蜜に変更。バターやアーモンドのいい香りの邪魔をせずに、狙った食感に。
濃厚な味わいですが、薄型なのでちょうどいいのも嬉しい。試行錯誤の末の決定版ではないでしょうか。
落ち着いた味わいでいて印象深いという、必要十分条件を満たしてくれています。ふうぅ!


●『フィナンシェピスターシュ』  7.8×3.7cm 厚み1.1cm 30gほど。
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きれいな緑色。ピスタチオ愛好者としては食べない訳にはいきません。
いざ、一口。わぉ、ピスタチオだぁ~!
なんていい香りなんでしょう。そして、たっぷりのナッツ感。

フィナンシェのピスタチオやチョコフレーバーは何度か経験していますが、ピスタチオがこれほど香ることはめったにありません。
こちらは溶かしバターに、BABBI社のローストしたピスタチオペースト。BABBIのピスタチオアイスクリーム、ずっと以前(昔はピスタチオ少なかったのです)気に入っていてわりとよく食べていたんだよなぁ、高かったけど。

油脂が多く生地が重くなるので卵白を軽く泡立てているそうです。ん、ヴィジタンディーヌ風の仕込みというのはこのことでしょうか。 
想像を軽く上回るピスターシュのフィナンシェ、嗚呼いいですねぇ。お見事です。


●『マドレーヌ』  7.1×4.5cm 厚み2.2cm 30gほど。
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乾いた感じまではしませんが、ふっくら柔らかで、サックリ感もあります。
中はきれいな黄色、レモンイエローといったところ。
そう、レモンの香りがはっきり立っています。果汁も加わっているのでしょうか、ほのかな酸味もあります。

優しく、品のいいお菓子。紅茶のお伴にふさわしい趣きがありますね。




●『サブレヴァニーユ』  径5.2cm 厚み0.6cm 10gほど。
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田中シェフのイチ推し。
サラサラに近い繊細なサブレ。砂粒が砂時計のように細かく、乾燥焼レベルまで焼き切っていないので、しっとりした柔かさを含んでいます。
そこへほのかなヴァニラの香り。優しい甘さとも相まって、とても品のいいサブレに仕上がっています。

シンプルななんでもないお菓子ですが、独自の食感や香りのレベルを決定するのは至難の業。これをスペシャリテにするなんて、自信の表れですね。
甘やかな夢の中で出会ったようなサブレ、じつに優雅です。



●『サブレココ』  径4cm 厚み1cm 10gほど。
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ディアマンなのですが、周囲のグラニュー糖は大きな粒粒ではなく、一度溶かしたように薄い膜が貼り付いています。ほんの少し堅めのザクザクに近いタイプ。
とはいってもココナッツファインが入っているので、生地のザクザク感は後景に退いています。ココナッツの甘さと香りの甘さについ頬がゆるむような美味しさです。
よく出来た美味しい薄甘さは、子供の日に戻してくれます。

●『サブレショコラ』  径4cm 厚み1cm 10gほど。
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こちらもグラニュー糖の処理は同じ。やや強めの食感にヘーゼルナッツのコリッとした食感がアクセントを加えています。
チョコレートにココアパウダーも併用してチョコ感を強く出しています。ココアが焦げ臭を出さずに苦みで深みを出しているところが、目配りが利いていると感じさせます。
当たり前のことですが、チョコとヘーゼルの相性がいいですねぇ。


●『ケックオキャラメル』  6.7×5.3cm 厚み2cm 50gほど。
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スペシャリテ。「ボンヌーベル」時代からルセットを変えていないというから、大した完成度と言えそうです。
シュガーバッター法でバターと砂糖をすり混ぜ、卵やカラメルの液体を加えて行くパターンだそうです。
カラメルの入るケックは“くどいほどの甘さとカラメル香が美味しさだ”という頭があるので、レモンコンフィが加わるルセットに、一瞬?が灯りました。
が、食べてみて疑問は氷塊。爽やかなカラメル、あるんですね~。うーむ、お見事!

●『ケックオショコラ』  6.7×5.5cm 厚み1.8cm 50gほど。
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クーベルチュールのブランドを聞きませんでしたが、落ち着いた上質な香り。生地は重くならずに、繊細で滑らか。
華やかなオレンジコンフィが入っていて、香りでも味についても奥行きがあってしっかりした満足感が生まれます。
かなりしっとりした生地ですが、バターでべとつくというほどではなく、口溶けもよく、食感の魅力がベースにあるのがこちらのケックの美点ですね。


シェフを経験して13年。たっぷり知識と技のポケットを蓄えていることがよく分かります。8種類の焼き菓子のテイスト(優しく繊細、美しい姿)が統一されつつ、一つずつの個性も明確に出すというのは、なまじっか出来ることではないですからね。
今回は後ろが決まっていて慌ただしい買い物になってしまいましたが、次回田中隆亮シェフの全貌をぜひお伝えしたいと思います。乞うご期待!

●『焼菓子』すべて@200円  (※内税)
●「ケークスカイウォーカー」
 神戸市中央区中山手通4-11-7  TEL078-252-3708  定休日/不定休  営業時間/10:00~19:00

※2019年7月以降、BIGLOBEの強制リニューアルにより、アクセスカウンターの廃絶、その他もろもろが大幅変更となりました。ご容赦下さいませ。