ムーラタルト(10)『洋梨とキャラメルのショートケーキ』

日本一長い商店街として有名な天神橋筋商店街のなかで、一際存在感のあるフランス菓子のお店が「ムーラタルト Le Moule a Tarte」さん。もう長いお付き合いです。
店名(タルトの型)通り、タルトとパイが豊富。しかもどれもこれも絶品揃い。いつもそちらばかりのご紹介になってしまいがちで、“パイ日和おまけ”ではまだ10回目、とほほ、申し訳ない。
が、じつはパイタルト以外もこれまた素晴しいのです。ではとっておきの逸品をどうぞ。

●『洋梨とキャラメルのショートケーキ』  辺9.5cm 高さ5.8cmほど。
moule_yonashishort1.jpg苺ではなく、秋の恵みの洋梨を使ったショートケーキ。
淡く優しい姿のその通りの味わい。けれど、頼りないわけではなく何とも言えない充足感に満たされるケーキです。
底からジェノワーズ、クレームパティシェール、クレームシャンティ、洋梨スライス、カラメルソース。次の繰り返しからはパティシェールが抜けます。一番下の生地の底面はカソナードでカラメリゼ。

まず、スルッと一口。わぁ~、ふわふわ。なんと抵抗なくスルスルと消えてくれることでしょう。
洋梨を食べたという感覚もないままに、香りに包まれています。それを追うように生地の卵の香り、パティシェールのコク、カラメルのかすかな苦甘さが意識されるでしょう。
でも、それら個々のパーツの素晴しさを感じるより、全体の軽やかさに驚かされてしまいます。この上なく上品で爽やかなのに、旨味による満足感に思わず頷かされているのです。
moule_yonashishortup.jpgカラメリゼの存在がはっきりジャリッと感じられ、液体かと思わせるほどに滑らかな生地の存在を思い出させてくれる、とてもいいアクセント。カステラのザラメと同じ役割のようでいて、より繊細な食感でありながら、単調さを防ぐだけでない、全体を活気づけるキーとなっています。
計算しつくされているケーキなのに、その嫌みを一切感じさせないところが見事です。なんとも完成度の高いケーキ。こういうケーキに出会うと、こゝろが満たされます、ふうぅ。

オープン20年を経たお店なので、お目当てのケーキを即座に買って帰る人、焼き菓子のセットを買った後に、自分用は何にしようかと考えている人など、使い勝手をよく知ったお客さんが引きも切らずやって来ます。満足げなお客様の顔を見るのも我が事のように嬉しいですね。

●『洋梨とキャラメルのショートケーキ』480円  (※内税)
●「フランス菓子工房ムーラタルト」
  大阪市北区天神橋3-1-6  TEL06-6242-7177  定休日/月曜・火曜  営業時間/10:00~20:00(日曜~19:00)

※2019年7月以降、BIGLOBEの強制リニューアルにより、アクセスカウンターの廃絶、その他もろもろが大幅変更となりました。ご容赦下さいませ。