焼き菓子の里(6)『モーンシュトーレン』

師走の声を聞くと、シュトーレンの季節到来。毎年、3本をいただくという宗教とは無縁の邪道な私たち、恒例の行事です。嗚呼、今年も残すところあと1ヵ月か…ふぅ、という気持ちに寄り添ってくれるのがシュトーレンなのです。
さて。2019年のトップバッターは、「焼き菓子の里」さんです。では。
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大阪市淀川区、阪急京都線・淡路駅の北東15分ほどのところにある「焼き菓子の里」さん。ドイツ菓子マイスター古井和也さんが2016年11月にオープンした、まだ新しいお店です。
にも関わらず、初年度からシュトーレンを焼いて好評を得ています。今年はメインの『マジパンシュトーレン』に加えて、『モーンシュトーレン』が登場。以前からモーンの話しをシェフから聞いていたので、待ちに待ったシュトーレンの登場です。


●『モーンシュトーレン』17×7.7cm 高さ4cm 250gほど。
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わお! 黒の渦巻き。外見は素朴ですが、カットした断面が個性的でなんとも気を惹きますね。これこれ、これが食べたかったのです。
昨年予定していて、多忙のために見送りとなっていたもの。今年はそろそろ出来ている頃だろうと思って訪ねたら、30本限定で焼いた最後の1本をきわどくゲット。ひゃあ~危なかったぁ。

モーンとは黒芥子の実のこと。ドイツやウイーンのお菓子では定番です。シュトーレン生地にマジパン棒を入れるのではなく、モーンのペーストを塗って巻き込んで焼いています。
モーンペーストはブルーポピーシード(ブルーなのにどういう訳か黒芥子と訳されています。ペーストは真っ黒だけど種の色はやや青っぽい)をミルにかけて砕き、牛乳、バター、砂糖で炊いて練り上げてペースト状にするのが一般的。古井シェフは、炊く時にオレンジピール、レモンピール、アーモンドダイスも加えてペーストに混ぜ込んでいます。
外袋からラップに巻かれた状態のものを取り出す際に、もうモーンの香りがふわ~っと立ち上がってきます。香木のような独特の薫り、嗚呼いいね。

yakigashi_mohnstolle.jpgナイフを入れると、柔らかい生地で崩れやすいけれど、鮮やかな渦巻き模様が現れて、目尻が下がってしまう。へへへ。
モーンの存在感が圧倒的で、香り、ぷちぷちのとした食感とともに強く迫ってきます。かといって強烈な味ではなく、ふんわりとした優しさがあるのです。ちょっと不思議な味わいです。

生地の深い味わいに支えられて、とても美味しい。ピール類も時折、クニュッとした食感や香りの変化で、味わいの幅を広げてくれています。うーん、やはり癖になるな。お見事です。

yakigashi_mohnstollenpac.jpgドイツには“モーンクーヘン”というポピュラーなお菓子があります。
シェフによると、これを3切れ食べると尿検査で大麻陽性反応が出ると言われているそうです。
都市伝説の類いでしょうが、モーンの香りが人を虜にする強さを持っているので、思わず信じそうになりますよ。
おそるべし、Mohn!


●『モーンシュトーレン』1500円 (※内税)  5.5円/g(外税計算)
●「焼き菓子の里」
 大阪市淀川区菅原4-10-35  TEL06-6648-8357  定休日/第1・3日曜、第2・4水曜  営業時間/10:30~19:00

 ※ブログ「パイ日和」では、こちらのドイツのパイをご紹介しています。