ビアンヴニュ(1)『ルヴァン』『シャンピニオン』

神戸市東灘区、山手幹線の石屋川の近くにあるのが、阪神間でも有数の大人気パン店「ブーランジェリー ビアンヴニュ」。独立以前、「イグレックプリュス」時代からすでにスターシェフとして名を馳せていた大下久司さんの店だ。
オープンしてすでに7年。ようやくにして行くことが出来た。時として、こういう失態をやらかすこともある。(※担当クボタ)


●『ルヴァン 1/4』 辺14cm 高さ7cm 350gほど。
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ショーカードには醗酵種のことについて書かれていなかったけれど、商品名からして当然ルヴァン種が使われているはず。ただ自家製かどうかが明確ではない。毎日焼いているもののようだから、当然かけつぎで自分で起こしているものだろう。比較的水分の多い生地を時間を掛けて焼き上げている。

クラストは厚めでガリッザクッと豪快な食感。
クラムはしっとりモッチリしている。ライ麦のパーセンテージも書かれていなかったがルヴァン種がたっぷり入るので50%程度だろう。独特のコクを楽しめる。
おや、ルヴァンだというのにまったく酸味がなく、噛み締めるほどに甘味の湧いてくるパン。バターやチーズととても相性がいい。


●『シャンピニオン』  径7cm 高さ7cm 50gほど。
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レストランなどでよく出てくる可愛いフランスパン。パン屋さんでは案外見掛けない。
小麦粉、塩、水、醗酵種だけというのがバゲットの規定だから、シャンピニオンも当然同じシンプルさが貫かれている。

食事の伴としての無色透明こそが求められる個性。焼き込んだ香りこそが唯一の華やぎ。そこはかとない粉の甘味と軽い塩気、これが食事の伴走者としての姿だ。
食事の邪魔にならない、主役の座を奪わないという立ち位置がしっかりしている。それでいて美味しいという印象をこっそり残すあたりが名人の業だろう。


ルヴァンの値段と重さを比較してみて欲しい。1g1円以下。こんなに安いパンは大手の食パン以外でお目にかかったことがない(神戸市東灘区「シュラッテンバッハ」(通常営業は現在お休み)の寺井さんがたしか1g1円だったと記憶しているけど、数年前だったからなぁ)。リーンなパンをグラムで比較するなんて、「ドイツ人みたいですね、あははっ」と「シュターン」の谷脇シェフに言われたことがあるけれど、我々はいつもそうしている。
ほかも推して知るべしの安さ。日常食としてのパンのあるべき姿を追究してくれた結果だろう。お見事です。

●『ルヴァン1/4』250円  『シャンピニオン』70円  (※外税)
●「ブーランジェリー ビアンヴニュ」
  神戸市東灘区御影1-16-15  TEL078-771-2866  定休日/日曜  営業時間/8:00~19:00

※ブログ「パイ日和」では、こちらのお店のクロワッサンやタルトなどをご紹介しています。