エミル(4)『ピスタチオのパウンドケーキ』

神戸市灘区、阪急神戸線・六甲駅から南東に5分ほどのところにあるのが「ツッカーベッカー エミル」さん。焼き名人の奥村豊シェフ(1965年生)が選りすぐりの材料で作るお菓子は、食べる人をうっとりさせずにおきません。
「3.14=π(パイ)の日R」キャンペーンにも参加してくれていて、キャンペーン期間中だけ出会える『ダッチクランツ』が大人気。このお菓子を作っているところはほとんどありませんから、とても貴重です。年々美味しさを知る人が増え、期間外にも問い合わせが増えているとのこと。そう「エミル」のお菓子は心に刻み込まれるのです。
大好きなので、いつもパイタルト『エッケシリーズ』ばかりご紹介しています(いずれも絶品!)が、忘れる訳に行かないのが『パウンドケーキ』のシリーズ。ミックスフルーツ、チョコチップ、くるみ、ピスタチオの4種がカット売りされています。どれも迷ってしまう。
今回、わがままを言って、予約してピスタチオを特別に1本売りしてもらいました。だって、奥村シェフのパウンド、思う存分満喫したかったんだもん。

●『ピスタチオのパウンドケーキ』 16.5×7cm 高さ5.4cm 330gほど。
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あぁいいなぁやっぱり、パウンドケーキ1本姿。
奥村シェフはドイツパン&ドイツ菓子の名店「フロインドリーブ」で修業されているので、イタリア菓子やフランス菓子のレパートリーもありますが、技術の基本はドイツ流。
『パウンドケーキ』もザントクーヘンと呼ばれるものが基本。バター、砂糖、卵、薄力粉を同量ずつ使い、バターと砂糖をすり混ぜ、卵を溶かし込みながら乳化を保ち、最後に粉を加えるパターン。違うのは同量以上にマジパンが入る贅沢な配合をベースに、さらにピスタチオペーストとピスタチオダイスが加わっていること。

emil_pistachiocakecut.jpgでは、そっとカットして萌黄色のパウンドケーキをお皿に飾って、優雅な気分を愉しみましょう。
嗚呼、素晴らしく美味しいなぁ、ふうぅぅ~。ふわふわ柔らかで繊細の極み。気品に溢れています。ピスタチオ愛好者には溜まりません。
それになんていい香り! 豊かに香りが広がって行くピスタチオ。そして、焼き目の芳ばしい香りもいいですねぇ。
Sandkuchen(砂のお菓子)はその名の通りサラサラと口解けのいい食感が特徴ですが、その良さ+マジパンとピスタチオが加わったことで、とてもしっとりとした滑らかな生地に変貌しています。時折ピスタチオダイスに当たると、ピスタチオ感が倍増しますが、ダイスはさらっとした口どけを邪魔しない小ささ。このバランスの絶妙なことといったら。
ふわふわ・しっとり・さらっ……と、ほどける、なんとも言えない心地よさ。しばし陶~然。

emil_piatachiocakepac.jpg溶かしバターを最後に加えるフランス風のパウンド(カトルカール)は、しっとりを通り越してベタベタと重く、くどく感じられるのが多いのですが、このしっとり感は別格。
惹き付けられます、うっとり。
うーん、またしても忘れられない味になりました。お見事すぎますよ、シェフ!


奥村シェフは「フロインドリーブ」で習得した技術と知識の豊かさに深く感謝していて、次の世代へとリレーしたい気持ちが強いのですが、こればかりは教えを受ける人に熱意がなければ伝わりません。
「技術は一代」という言葉で語られましたが、意欲のある人さへ現れれば、「技術は二代」に出来るのですけどね。どなたか、そのバトンを受け取ってほしいな。宝のバトンです。

●『ピスタチオのパウンドケーキ』240円(カットの価格)  (※内税)
●「ツッカーベッカー エミル」
 神戸市灘区日尾町2-3-17  TEL078-843-1880  定休日/水曜・木曜  営業時間/10:30~19:30