パティスリー ミラヴェイユ(3)『ボンボンショコラ 12種詰め合せ』

兵庫県宝塚市、阪急逆瀬川駅の東7、8分のところにある「パティスリー ミラヴェイユ Miraveille」さん。シェフの妻鹿祐介さんは、パティシエ&ショコラティエですが、独立前に自分の苦手意識を払拭するために渡仏。MOFのショコラトリー「フランク ケストナー」に弟子入り。8ヵ月ほどじっくりとチョコレートと向き合い、今では得意アイテムになっています。数年前からチョコレート専用ショーケースも設置し、通年販売するショコラトリーでもあるのです。
その繊細優美なチョコレートはヴァレンタインデーでも大人気だったとか。ボンボンショコラは14種(バラ売り・箱入りもあり)ほど、タブレット3種、マンディアンやオランジェットなどもあります。
そのなかから、まずは美しく輝いているボンボンショコラを。遅ればせながら、その美味しさに迫ってみましょう。

●『ボンボンショコラ12種詰め合せ』(※写真上から下への順に、手前右から左奥へ)
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店名ロゴ入りの専用箱。シックで落ち着いています。期待が膨らみます。
では、リボンをするっと解き開けてみると……、ほほーっ、スタイリッシュ、そしてダークチョコのコーティングが多い。本格的なイメージで胸が高鳴ります(なお、ひとつひとつ詳しく聞いていませんので間違っていたら乞う寛容)。

◆『サンビラーノ』  3.2×2.4cm 高さ1.1cmほど。
ドモリ社の“サンビラーノミルク”を使ったガナッシュのストレート勝負。ひゃあ~、 カバーが驚くほどとても薄く(いずれも!)、ハリっとかすかに食感を残すのみでいきなりガナッシュがゆったりと溶け広がるイメージ(あまりの薄さに、思わず立ち上がってしまったほど。腕の良さを物語っていますね)。特有のベリー系のアロマとともに酸味を含んだほろ甘苦さに満たされます。
◆『アシデュレ』  径2.8cm 高さ2cmほど。
ミルクチョコにライムの香りを移しパッションフルーツのピューレを加えています。液体はピューレのみなのだとか。ライムの爽やかさとパッションの爛熟感が合わさり、魅惑的なトロピカル世界に導かれます、ワォ! acidule 名前の通りキュンとした酸味の虜に。
◆『アールグレイ』  2.8×2.3cm 高さ1.3cmほど。
茶葉の微粉末がトップにディスプレイされています。口元にもってきた時に、すでにアールグレイを感じはじめていて、ガナッシュが溶けると、一気に爽やかな薫りに覆い尽くされるよう。これだけ濃厚に薫りをアンフュゼできる技は見事というしかありません。

◆『ブロン』  3×2.3cm 高さ1.1cmほど。
ブロンドチョコをガナッシュに使っています。ご存知のように、ホワイトチョコを加熱してブロンド色になるまで焼き込んだもの。元々のミルク感に加えてカラメルのような風味も加わって、豊潤な味わい。まろやかな口溶けも特筆ものです。
◆『ピスターシュ』  3.1×2.3cm 高さ1.2cmほど。
ピスタチオの糖衣が一粒載っています。中はピスタチオ風味のホワイトチョコガナッシュ。活き活きとしたピスタチオ、自称ピスタチオ党としても大満足。カカオバターよりも重くゆっくり溶け出す感じで重厚感がありますね。
◆『コニャック』  径2.9cm 高さ1.3cmほど。
ダークのガナッシュにコニャックをたっぷりと吸わせています。アルコールがはっきり感じられ、じつに大人の味わい。芳醇な薫りに包まれ、ゆっくり時間をかけて余韻に浸りたい一粒。ふと、小さなヴォリュームでサッチモの“What a wonderful world”を聴きたくなりました。
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◆『トンカ』  3×2.2cm 高さ1cmほど。
ヴァニラ香が広がるガナッシュにトンカ豆の薫り。この豆は毎回薫りの印象が異なり正体不明の感がありますが、今回は一番の特徴とされている桜餅感が歴然。おやっ、ヴァニラに加えて杏仁香も。ほぅ、めくるめく薫りの響宴! ソムリエのような鋭い感覚を持っていたかったなぁ。
◆『パラディ』  幅3cm 縦2.5cm 高さ1.7cmほど。
一際目立つハート型。華やかな存在には、優美なフランボワーズが練り込まれています。さらに薔薇とライチの瑞々しいジュレも加わり、一層明るく華々しい雰囲気に。馥郁と立ち上がってくる、薔薇とライチにショコラ。ライチはフランボワーズの酸味を和らげてもいるようです。
◆『ロムヴァニーユ』  3×2.3cm 高さ1.3cmほど。
ヴァニラの薫りにラム酒の豊満な薫りが加わって、優雅な酔い心地。アルコール感はさほどでもないのに、薫りに酔わされてしまいます、ふうぅ~。リンツ社のホワイトチョコの強いミルク感が、この柔和な世界のベースなのでしょうね。ミルクにラムは好相性、改めてその相性の良さに納得。うんうん。

◆『マディロフォロ』  3×2.3cm 高さ1.2cmほど。
マダガスカル島北部で採れたカカオ豆を使った、カカオ分65%のクーベルチュールをストレートに表現したガナッシュ。説明書にはフローラルとフルーツとありましたが、ナッツ感とフルーツ感のある複雑なアロマを感じました。バターっぽさも感じられるような。
◆『シトロン』  3×2.3cm 高さ1.2cmほど。
ミルクチョコに檸檬のピューレとゼストで酸味と薫りをた~っぷりと。刺激的な酸味と薫りの爽やかさ、“おぉ、これぞ檸檬!”という満足感に導いてくれます。ミルクチョコの柔らかな旨味に宥められながら、フレッシュな酸味を心ゆくまで楽しめます。
◆『アプリマク』  3×2.3cm 高さ1.2cmほど。
ドモリ社のペルー産のカカオ75%のクーベルチュール・アプリマク。ハイカカオ特有のやや粉っぽい(けなしているわけではありません、これはどんなショコラトリーでも感じます)ガナッシュ。ダークな感じがして、チョコレートの王道の力強く濃厚な香りに心惹かれます。どこか味噌醤油の醗酵系の香りを感じましたが、哀しいかなシェフが言っている白ワインは分からず終い。でも、チョコレートを食べたという充実感がなんとも素晴しい。

miraveille_bonbonchocopac.jpg一粒一粒煌めいていて、個性が際立ったボンボンショコラです。洗練・繊細・清らか、という言葉が浮かびました。
「お菓子屋さんが作ったチョコレートというイメージで、チョコレートそのものへの専門的なこだわりより、付け加えるフレーバーやフルーツを大切に」と妻鹿シェフ。
その言葉通り、ハッとするほどに明確なフレーバーが澄んだ味わいで立ち上がってきます。繊細だったりするのに、すこしも難しくなく、手に取るように分かる。チョコレート単体のものやホワイトチョコを活かしたものなども、その個性が明確で、すっと理解できるし、と同時に深い満足感に浸ることが出来ます。
チョコレートへのこだわりを大仰に語ることなく、自然にチョコレートの魅力に惹き込んでしまうのです。しかも、チョコにもっと親しんでもらいたいと、一粒190円。
まさに妻鹿マジックはメガを超えたギガクラスかも、なーんて冗句のひとつも言いたくなります。あははっ、つまりはとても気に入ったということです。じつに、お見事でございます。

●『ボンボンショコラ12種詰め合せ』2540円  (※外税)
●「パティスリー ミラヴェイユ」
 兵庫県宝塚市伊孑志3-12-23  TEL0797-62-7222  定休日/水曜、第2&4木曜  営業時間/10:00~19:00
※ブログ「パイ日和」では、こちらのお店の『パルミエ』をご紹介しています。